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アルフヘイムで流通している通過の名称。 女性用鎧の女騎士シリーズ一式で26000ルピ(ガンダラ相場)。 エンチャントの施された姫騎士シリーズ一式は530000ルピ。 ちなみに一般的な冒険者用の宿屋が一泊50ルピとなっている。 <余談> ソシャゲ然りネトゲ然り、プレイヤー間取引のあるゲーム全般に言える経済要素の至上命題とされてきた課題がある。 貨幣価値の維持。ゲーム内通貨は価値が暴落しやすく、ほっとくとすぐインフレが起きるのだ。 全プレイヤーの総資産、つまりゲーム内で流通させられる貨幣の額は、基本的に増えることはあっても減ることはない。 ログインボーナスやらクエストの報酬としてシステムから排出されるルピは、プレイヤーの数だけ毎日増えていく。 ブレモンみたくプレイヤーが日毎に増えてるような、脂の乗ってるゲームは特にその傾向が強い。 仮に一日にプレイヤーが入手できる貨幣の最低額がざっくり1000ルピだとしよう。 ブレモンの同時接続数は確か100万ちょいだったから、どんぶり勘定でも毎日最低10億ルピがシステムから排出されてるわけだ。 このルピの供給過多は、結果としてルピ自体の価値を大きく引き下げることに直結する。 毎日ハイパーインフレが起きてるようなもんだ。 貨幣は希少だからこそ、流通が制限されているからこそ額面通りの価値を持つ。 プレイヤーの持ってるルピの額が多すぎると、値段が固定なNPC販売のアイテムが意味を失っちまうのだ。 実装当初は高すぎて誰も手が届かなかった、店売り最強の武器。 今のインフレ具合なら、30分くらい金策するだけでインベントリ一杯になるまで買えるだろう。 店売りの武器よりも、それを修理するための鉱石のほうが高値がついてる始末だ。 NPC販売品の価格が安くなるイベントが「誰得セール」なんて呼ばれるわけだぜ。 通貨のインフレを是正するために、運営側はあの手この手でルピを回収する施策を講じてきた。 貨幣価値を元に戻すなら、ルピの流通を制限する、つまり排出したルピ徴収するのが手っ取り早い。 装備の修理やパートナーを回復させるための宿屋の料金、鉄道や飛空艇の使用料。 アバターやパートナーを着飾るコスチュームに、ルームに置く家具。 ルピとは別にトークンと呼ばれる代替貨幣を用意して、レアアイテムの取引はそっちでしかできないようにしたりとかな。
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■ 「レヴォーグ」1.6Lエンジン採用となった理由 http //response.jp/article/2014/01/24/215700.html 1.5Lでは、ベースとなる現行型エンジンがなかった。 旧型の「EJ型」ベースのNA1.5Lの「EL15」があったが、基本設計が20年以上前と古く生産終了から3年近く経過し、 現代に必要とされる動力・環境性能をクリアできない。 1.6Lなら「現行インプレッサ」で搭載しているので、「FB16」ベースでの開発がコスト的にも見合うと判断 「一番大きな理由は、1.6Lターボ車をレガシィNA2.5L車の後継モデルに位置付けていた」 NA2.5L車に匹敵するパワーをレギュラーガソリンで発揮できる事が至上命題でした。 その為に「プラス100cc」の余裕は必要不可欠だった。 ターボ車ではある一定の回転域になるまでターボチャージャーの効率的なパワーは発揮できない。 しかし、排気量によってトルクが稼げていれば、ターボが効き出すまでのラグ感はあまり感じなくて済む。 2.0Lターボ車と1.6Lターボ車との差を最も感じたのは、このターボが効き出すまでの時間差だった。 1.5Lターボを採用していたと仮定すると、この時間差をさらに感じる事になったであろろう。 「現行レガシィ」NA2.5L車のユーザーの大半は、バランス志向で選ぶ人が多い。 NA2.5L車クラスになるとプレミアムガソリンを選択する車種が多い中で、レガシィはレギュラーガソリンの伝統を守り抜いてきた。 「レヴォーグ」も良き伝統を何とか引き継ぎたいとの想いが、敢えて1.6Lターボエンジンを選ばせた。 http //www.motordays.com/news/articles/pre_levorg_subaru_news_20131213/pic/levorg_12.jpg http //m.car.watch.impress.co.jp/img/car/docs/632/156/08.jpg http //m.car.watch.impress.co.jp/img/car/docs/632/156/23.jpg http //m.car.watch.impress.co.jp/img/car/docs/632/156/24.jpg
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とわとせつな【登録タグ NexTone管理曲 SHO(キセノンP) と 初音ミク 曲】 作詞:SHO(キセノンP) 作曲:SHO(キセノンP) 編曲:SHO(キセノンP) 唄:初音ミク 曲紹介 「永遠の愛は存在しないが、刹那的な肉欲ばかりでは心は満たされない。」 SHO(キセノンP)の11作目。 深くエロくカッコ良く!をモットーにした曲です。哲学的な命題を、ストレートなビートに乗せて。(作者コメ転載) イラストは すかーれっと氏 の描き下ろし。 歌詞 無限に続く終わりなきもの 宇宙以外に何がある? 太陽でさえ100億年の命 永遠なんてありえないわ だからもう 夢物語で騙さないでよ 時が過ぎ 骨も失せ 存在の証さえも消えてもまだ 貴方の言う 永久の愛 続いてゆくのならば 証明して 貴方が信じる永久 今この瞬間(とき)に どれだけ幸せ それだけが尺度のくせして 一時の麻薬に 永久を夢想して それが続くと思い込んで 適当な覚悟だけで 未来見ないでよ 快楽に溺れながら 汗の香りに酔いながら 明日を信じてた 10年も20年も 今が続くと夢見た 愚かな過去 私を嬲る刹那 一瞬が無限に集まり 永遠は生まれる でもそれを見届けられない 私たちに永久を語る資格はない 所詮刹那しか 私たちを抱きはしない 快楽に溺れながら 汗の香りに酔いながら 明日を信じてた 10年も20年も 今が続くと夢見た 夢は夢だった 時が過ぎ 骨も失せ 存在の証さえも消えてもまだ 貴方の言う 永久の愛 続いてゆくのならば 説明して この快楽は刹那 私を抱くは刹那 私を縛る刹那 夢にまで見るは永久 それを赦さない刹那 コメント 夢見てた ですよ -- 名無しさん (2011-02-27 13 31 32) ↑私もそう思います これはかっこいい ^q^ -- 迷凜 (2011-03-28 13 19 00) かっこよくて大好きな曲! -- ありす (2011-10-24 07 25 55) すっごく深い曲だよね! -- ぬこさん☆ (2013-09-08 02 39 58) この曲こそ神だ! -- ボカロ神 (2013-10-02 21 16 15) めっちゃカッコいい! -- キジトラ (2014-04-28 23 32 40) 名前 コメント
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最終更新日時 2011年03月06日 (日) 21時43分29秒 代数的整数論 005 (86-160) 元スレ: http //science6.2ch.net/test/read.cgi/math/1173998720/86-160 ログ元: http //2se.dyndns.org/test/readc.cgi/science6.2ch.net_math_1173998720/86-160 86 :132人目の素数さん:2007/04/02(月) 12 04 00 -1 87 :132人目の素数さん:2007/04/02(月) 12 05 00 -2 88 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/04/02(月) 21 43 43 √2 の連分数展開を求めてみる(展開の方法は 41 参照)。 √2 = 1 + (√2 - 1) 1/(√2 - 1) = √2 + 1 = 2 + (√2 - 1) よって √2 = [1, 2, 2, . . . ] 同様に √3 = 1 + (√3 - 1) 1/(√3 - 1) = (√3 + 1)/2 = 1 + (√3 - 1)/2 2/(√3 - 1) = √3 + 1 = 2 + (√3 - 1) よって √3 = [1, 1, 2, 1, 2, . . . ] √5 = 2 + (√5 - 2) 1/(√5 - 2) = √5 + 2 = 4 + (√5 - 2) √5 = [2, 4, 4, 4. . . ] √7 = 2 + (√7 - 2) 1/(√7 - 2) = (√7 + 2)/3 = 1 + (√7 - 1)/3 3/(√7 - 1) = (√7 + 1)/2 = 1 + (√7 - 1)/2 2/(√7 - 1) = (√7 + 1)/3 = 1 + (√7 - 2)/3 3/(√7 - 2) = √7 + 2 = 4 + (√7 - 2) √7 = [2, 1, 1, 1, 4, 1, 1, 1, 4, . . . ] 89 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/04/02(月) 22 37 17 命題 k ≧ 1 と c ≧ 1 を有理整数で c は 2k の約数とする。 このとき、 √(k^2 + c) = [k, 2k/c, 2k, 2k/c, 2k, . . ,] 証明 0 < c < 2k + 1 だから k < √(k^2 + c) < k + 1 よって √(k^2 + c) = k + (√(k^2 + c) - k) k < √(k^2 + c) < k + 1 より 2k < √(k^2 + c) + k < 2k + 1 よって 1/(√(k^2 + c) - k) = (√(k^2 + c) + k)/c = 2k/c + (√(k^2 + c) - k)/c c/(√(k^2 + c) - k) = √(k^2 + c) + k = 2k + (√(k^2 + c) - k) 以上から √(k^2 + c) = [k, 2k/c, 2k, 2k/c, 2k, . . ,] 証明終 90 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/04/02(月) 22 47 44 89 の簡単な応用例を挙げる。 k = 1, c = 1 √2 = [1, 2, 2, . . .] k = 2, c = 1 √5 = [2, 4, 4, , . . .] k = 2, c = 2 √6 = [2, 2, 4, 2, 4, . . .] k = 3, c = 2 √11 = [3, 3, 6, 3, 6, . . .] 91 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/04/03(火) 20 46 13 88 の例はすべて循環連分数である。 √3 = [1, 1, 2, 1, 2, . . . ] は 1, 2 が繰り替えされている。 1, 2 を循環節といい、その長さは2である。 √7 = [2, 1, 1, 1, 4, 1, 1, 1, 4, . . . ] の循環節は 1, 1, 1, 4 であり、その長さは4である。 以上から循環連分数の定義は明らかだろうが正式には次のように定義する。 無限単純連分数 [k_0, k_1, . . . ] において n ≧ 0 と r ≧ 1 があり、i ≧ n のとき常に k_(i + r) = k_i となるとき これを循環連分数と呼ぶ。 k_n, . . . , k_(n + r -1) を循環節といい、r をその長さという。 n = 0 のとき純循環であるという。 92 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/04/03(火) 21 06 34 α = [k_0, k_1, . . . ] が循環連分数で k_n, . . . , k_(n + r -1) を 循環節に持つとする。 ここで、n ≧ 1 とし、 [k_0, k_1, . . . ] = [k_0, . . . , k_(n-1), β] とする。 ここで β = [k_n, k_(n+1), . . . ] である( 77)。 このとき α = (p_(n-1)β + p_(n-2))/(q_(n-1)β + q_(n-2)) である( 43, 56)。 さらに β は純循環である。 よって循環連分数を調べるには純循環の場合が基本的である。 93 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/04/03(火) 22 20 25 α = [k_0, k_0, . . . ] が長さ1の純循環とする。 k_0 ≧ 1 に注意する。 α = [k_0, α] である。 つまり、α = k_0 + 1/α である。 よって α^2 - k_0α - 1 = 0 よって α は2次の無理数である。 さらに α > k_0 ≧ 1 である。 f(x) = x^2 - k_0x - 1 とおくと、 f(0) = -1 f(-1) = 1 + k_0 - 1 = k_0 ≧ 1 よって f(x) の α 意外の根 β は -1 < β < 0 となる。 94 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/04/05(木) 17 29 03 r ≧ 2 とし、 α = [k_0, . . . , k_(r-1), . . . ] が長さ r の純循環( 92)とする。 したがって, k_0 ≧ 1 である。 93 より α = (p_(r-1)α + p_(r-2))/(q_(r-1)α + q_(r-2)) ここで、q_0 = 1 とする。 α(q_(r-1)α + q_(r-2) = p_(r-1)α + p_(r-2) q_(r-1)α^2 + (q_(r-2) - p_(r-1))α - p_(r-2) = 0 よって α は2次の無理数である。 f(x) = q_(r-1)x^2 + (q_(r-2) - p_(r-1))x - p_(r-2) とおく。 f(0) = -p_(r-2) < 0 f(-1) = q_(r-1) - q_(r-2) + p_(r-1) - p_(r-2) 44 より r ≧ 3 のとき q_(r-1) = q_(r-2)k_(r-1) + q_(r-3) q_(r-1) - q_(r-2) = (k_(r-1) - 1)q_(r-2) + q_(r-3) ≧ q_(r-3) > 0 r = 2 なら q_(r-1) - q_(r-2) = q_1 - q_0 = k_1 - 1 ≧ 0 r ≧ 3 のとき p_(r-1) = p_(r-2)k_(r-1) + p_(r-3) p_(r-1) - p_(r-2) = (k_(r-1) - 1)p_(r-2) + p_(r-3) ≧ p_(r-3) > 0 r = 2 なら p_(r-1) - p_(r-2) = p_1 - p_0 = k_0k_1 + 1 - k_0 ≧ (k_1 - 1)k_0 + 1 > 0 以上から f(-1) = q_(r-1) - q_(r-2) + p_(r-1) - p_(r-2) > 0 よって α の共役 β は -1 < β < 0 である。 95 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/04/05(木) 17 48 29 2次の実無理数 α とその共役 β に対して α > 1, -1 < β < 0 となるとき α を簡約された2次無理数という。 96 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/04/05(木) 18 02 19 93 と 94 より次の命題が得られる。 命題 純循環連分数は簡約された2次無理数である。 97 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/04/05(木) 22 33 04 補題 α を簡約された2次無理数とし、k = [α] で k ≧ 1 とする。 ω = 1/(α - k) とおく。 つまり α = k + 1/ω である。 このとき ω も簡約された2次無理数である。 証明 過去スレ4の286より ω も2次無理数である。 よって α を α の共役とすると ω = 1/(α - k) は ω の共役である。 0 < α - k < 1 だから ω > 1 である。 -1 < α < 0 だから -1 - k < α - k k - α > 1 + k よって 1/(k - α ) < 1/(1 + k) < 1 よって -1 < 1/(α - k) < 0 ω = 1/(α - k) だから ω は簡約された2次無理数である。 証明終 98 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/04/05(木) 22 47 36 97 α を簡約された2次無理数とし、k = [α] で k ≧ 1 とする。 α > 1 だから k ≧ 1 は自動的に満たされるので、この条件は不要であった。 99 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/04/07(土) 13 40 14 α を簡約された2次無理数とする。 α を連分数に展開して、 α = [k_0, k_1, . . . ] とする。 n ≧ 0 に対して α_n = [k_n, k_(n+1), . . . ] とおく。 77 より α = [k_0, . . . , k_(n-1), α_n] である。 同じく 77 より α_n = [k_n, k_(n+1), . . . ] = [k_n, α_(n+1)] だから α_n = k_n + 1/α_(n+1) である。 よって 97 と n に関する帰納法により各 α_n は 簡約された2次無理数である。 α = (p_(n-1)α_n + p_(n-2))/(q_(n-1)α_n + q_(n-2)) で p_(n-1)q_(n-2) - q_(n-1)p_(n-2) = (-1)^n である( 43, 44, 57)。 過去スレ4の286 より α と α_n は同じ判別式(過去スレ4の276) をもつ。 これに関連して次の命題が成り立つ。 100 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/04/07(土) 14 37 53 命題 同じ判別式 D を持つ簡略された2次無理数の個数は有限である。 証明 α を判別式 D の簡約された2次無理数とする。 α は ax^2 + bx + c の根とする。 ここで a, b, c は有理整数で a > 0, gcd(a, b, c) = 1 D = b^2 - 4ac である。 β を α の共役とする。 α は簡約された2次無理数だから 95 より α > 1, -1 < β < 0 である。 よって α + β > 0 αβ < 0 である。 ax^2 + bx + c = a(x - α)(x - β) だから b = -a(α + β) c = aαβ である。 よって b < 0, c < 0 となる。 よって D = b^2 + 4|ac| よって b^2 < D だから b の取りうる値は有限個である。 4|ac| = D - b^2 だから a, c の取りうる値も有限個である。 証明終 101 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/04/07(土) 15 05 11 命題 簡略された2次無理数は純循環連分数に展開される。 証明 α を判別式 D の簡約された2次無理数とする。 α を連分数に展開して、 α = [k_0, k_1, . . . ] とする。 n ≧ 0 に対して α_n = [k_n, k_(n+1), . . . ] とおく。 99 より各 α_n は判別式 D の簡約された2次無理数である。 100 より相異なる α_n の個数は有限である。 よって α_n = α_m となる n < m がある。 n > 0 なら α_(n-1) = k_(n-1) + 1/α_n α_(m-1) = k_(m-1) + 1/α_m よって α_(n-1) - α_(m-1) = k_(n-1) - k_(m-1) よって α _(n-1) - α _(m-1) = k_(n-1) - k_(m-1) ここで α _(n-1), α _(m-1) はそれぞれ α_(n-1) と α_(m-1) の 共役である。 各 α_n は簡約された2次無理数だから -1 < α _(n-1) < 0 -1 < α _(m-1) < 0 よって |α _(n-1) - α _(m-1)| = |k_(n-1) - k_(m-1)| < 1 k_(n-1) - k_(m-1) は有理整数だから 0 である。 よって α _(n-1) = α _(m-1) となる。 よって α_(n-1) = α_(m-1) である。 以上を繰り返せば α_0 = α_(m-n) となる。 よって α は純循環連分数に展開される。 証明終 102 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/04/07(土) 17 52 04 補題 α を2次無理数とする。 p, q, r, s を有理数で、ps - qr ≠ 0 とする。 α = (pβ + r)/(qβ + s) とする。 つまり、β = (sα - r)/(-qα + p) とおく。 このとき β も2次無理数であり、 α = (pβ + r)/(qβ + s) である。 ここで α と β はそれぞれ α と β の共役である。 証明 Q(α) は2次体である。σ ≠ 1 を Q(α) の自己同型とする。 σ(α) = α である。 β ∈ Q(α) で β は有理数でないから β は2次無理数である。 α = (pβ + r)/(qβ + s) より σ(α) = (pσ(β) + r)/(qσ(β) + s) σ(β) = β だから α = (pβ + r)/(qβ + s) である。 証明終 103 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/04/07(土) 18 05 37 命題 α を2次の実無理数とする。 α を連分数に展開して、 α = [k_0, k_1, . . . ] とする。 n ≧ 0 に対して α_n = [k_n, k_(n+1), . . . ] とおく。 このとき、ある n_0 ≧ 0 があり n ≧ n_0 なら常に α_n は簡約された 2次無理数である。 証明 99 と同様にして、 α = (p_(n-1)α_n + p_(n-2))/(q_(n-1)α_n + q_(n-2)) である。 よって 102 より β = (p_(n-1)β_n + p_(n-2))/(q_(n-1)β_n + q_(n-2)) となる。 ここで、β と β_n は α と α_n のそれぞれ共役である。 β_n = (q_(n-2)β - p_(n-2))/(-q_(n-1)β + p_(n-1)) 右辺の分子と分母をそれぞれ変形すると q_(n-2)β - p_(n-2) = q_(n-2)(β - p_(n-2)/q_(n-2)) -q_(n-1)β + p_(n-1) = -q_(n-1)(β - p_(n-1)/q_(n-1)) となる。 よって β_n = -(q_(n-2)/q_(n-1))(β - p_(n-2)/q_(n-2))/(β - p_(n-1)/q_(n-1)) (続く) 104 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/04/07(土) 18 21 43 103 の続き。 80 より n → ∞ のとき p_(n-2)/q_(n-2) → α p_(n-1)/q_(n-1) → α よって (β - p_(n-2)/q_(n-2))/(β - p_(n-1)/q_(n-1)) → (β - α)/(β - α) = 1 (q_(n-2)/q_(n-1)) > 0 だから 十分大きい n に対して β_n < 0 α_n = k_n + 1/α_(n+1) よって 102 より β_n = k_n + 1/β_(n+1) よって β_(n+1) = 1/(β_n - k_n) |β_n - k_n| > 1 だから -1 < β_(n+1) < 0 α_(n+1) > 1 だから α_(n+1) は簡約された2次無理数である。 97 より m ≧ n + 1 なら α_m も簡約された2次無理数である。 証明終 105 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/04/07(土) 18 26 27 定理(Lagrange) 2次の実無理数は循環連分数に展開される。 証明 101 と 103 より明らかである。 106 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/04/07(土) 19 16 18 97 ω = 1/(α - k) は ω の共役である。 これは 102 から出る。 従って、 102 は 97 の前に出したほうが良かった。 107 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/04/08(日) 01 21 03 補題 t ≠ 0 を有理数とする。 t を有限単純連分数( 69)に展開して t = [k_0, . . . , k_(n-1)] とするとき、項数 n を偶数または奇数の どちらにも出来る。 証明 t = [k_0, . . . , k_(n-1)] において n = 1 のとき 即ち t = [k_0] のときは t = [k_0 - 1, 1] でもある。 よって n ≧ 2 と仮定してよい。 k_(n-1) = 1 なら [k_0, . . . , k_(n-1)] = [k_0, . . . , k_(n-2) + 1] k_(n-1) > 1 なら [k_0, . . . , k_(n-1)] = [k_0, . . . , k_(n-1) - 1, 1] いずれの場合も、項数を偶数または奇数のどちらにも出来る。 証明終 108 :132人目の素数さん:2007/04/08(日) 02 00 48 虚二次体と類数について教えて下さい 109 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/04/08(日) 02 14 37 108 過去スレ4 に書いてあります。 過去スレ4は 54 のリンク先で見れます。 そこはいつまで見れるかわからないのでパソコンに保存しておいたほうがよいです。 虚二次体とその類数についてさらに詳しいことはこの後にやる予定。 110 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/04/08(日) 10 33 01 補題 β > 1 を実無理数とする。 α = (aβ + b)/(cβ + d) とする。 ここで a, b, c, d は有理整数で ad - bc = ±1 であり、 c > d > 0 である。 このときある n ≧ 1 があり、 α = [k_0, . . . , k_(n-1), β] となる。 ここで、各 k_i は有理整数で i ≧ 1 のとき k_i ≧ 1 である。 証明 a/c を単純連分数( 69)に展開して a/c = [k_0, . . . , k_(n-1)] とする。 107 より ad - bc = (-)^n と仮定してよい。 61 より [k_0, k_1, . . . , k_(n-1)] = p_(n-1)/q_(n-1) である。 ここで p_(n-1) = P(k_0, k_1, ... , k_(n-1)) q_(n-1) = P(k_1, ... , k_(n-1)) とおいた。 (続く) 111 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/04/08(日) 10 36 21 110 の続き。 ad - bc = (-)^n だから gcd(a, c) = 1 57 より p_(n-1)q_(n-2) - q_(n-1)p_(n-2) = (-1)^n よって gcd(p_(n-1), q_(n-1)) = 1 a/c = p_(n-1)/q_(n-1) で c > 0, q_(n-1) > 0 だから a = p_(n-1) c = q_(n-1) よって aq_(n-2) - cp_(n-2) = ad - bc a(d - q_(n-2)) = c(b - p_(n-2)) gcd(a, c) = 1 だから d ≡ q_(n-2) (mod c) c > d > 0 c = q_(n-1) ≧ q_(n-2) > 0 よって |d - q_(n-2)| < c d ≡ q_(n-2) (mod c) より d = q_(n-2) よって b = p_(n-2) α = (aβ + b)/(cβ + d) = (p_(n-1)β + p_(n-2))/(q_(n-1)β + q_(n-2)) = [k_0, . . . ,k_(n-1), β] 証明終 112 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/04/08(日) 16 33 36 命題 β を実無理数とする。 α = (aβ + b)/(cβ + d) とする。 ここで a, b, c, d は有理整数で ad - bc = ±1 である。 このとき、ある実無理数 ω と n ≧ 1, m ≧ 1 があり、 α = [k_0, . . . , k_(n-1), ω] β = [h_0, . . . , h_(m-1), ω] となる。 ここで、各 k_i は有理整数で i ≧ 1 のとき k_i ≧ 1 であり、 各 h_i も有理整数で i ≧ 1 のとき h_i ≧ 1 である。 即ち、α と β を無限連分数に展開したとき、それぞれのある項から 先の展開は一致する。 証明 cβ + d < 0 なら -cβ - d > 0 で α = (-aβ - b)/(-cβ - d) だから cβ + d > 0 と仮定してよい。 β を 無限連分数に展開して β = [h_0, h_1, . . . ] とする。 m ≧ 1 に対して ω_m = [h_m, h_(m+1), . . . ] とおく。 77 より β = [h_0, . . . , h_(m-1), ω_m] である。 99 と同様にして、 β = (p_(m-1)ω_m + p_(m-2))/(q_(m-1)ω_m + q_(m-2)) (続く) 113 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/04/08(日) 16 36 26 112 の続き。 α = (aβ + b)/(cβ + d) より、 α = (Aω_m + B)/(Cω_m + d) ここで A = ap_(m-1) + bq_(m-1) B = ap_(m-2) + bq_(m-2) C = cp_(m-1) + dq_(m-1) D = cp_(m-2) + dq_(m-2) である。 C = cp_(m-1) + dq_(m-1) = q_(m-1)(cp_(m-1)/q_(m-1) + d) m → ∞ のとき p_(m-1)/q_(m-1) → β だから cβ + d > 0 より十分大きい m に対して C > 0 である。 C = cp_(m-1) + dq_(m-1) = h_(m-1)(cp_(m-2) + dq_(m-2)) + cp_(m-3) + dq_(m-3) 上で述べたことより十分大きい m に対して cp_(m-3) + dq_(m-3) > 0 である。 このとき C = cp_(m-1) + dq_(m-1) > D = cp_(m-2) + dq_(m-2) よって 110 より このときある n ≧ 1 があり、 α = [k_0, . . . , k_(n-1), ω_m] となる。 証明終 114 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/04/08(日) 16 38 59 105 と 112 の証明は高木の初等整数論講義を参考にした。 115 :132人目の素数さん:2007/04/08(日) 17 05 50 名無しで自分の隔離病棟スレを立てているんだねw 116 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/04/08(日) 17 37 25 112 の逆が成り立つことは明らかだろうが、一応証明する。 命題 α と β を実無理数とする。 ある実無理数 ω と n ≧ 1, m ≧ 1 があり、 α = [k_0, . . . , k_(n-1), ω] β = [h_0, . . . , h_(m-1), ω] となるとする。 ここで、各 k_i は有理整数で i ≧ 1 のとき k_i ≧ 1 であり、 各 h_i も有理整数で i ≧ 1 のとき h_i ≧ 1 である。 このとき、α = (aβ + b)/(cβ + d) となる。 ここで a, b, c, d は有理整数で ad - bc = ±1 である。 証明 α = [k_0, . . . , k_(n-1), ω] より α = (pω + r)/(qω + s) となる。 ここで p, r, q, s は有理整数で ps - qr = ±1 である。 よって A = (p, r)/(q, s) とおけば、A ∈ GL_2(Z) であり、 α = Aω となる。 同様に β = [h_0, . . . , h_(m-1), ω] より β = (p ω + r )/(q ω + s ) となる。 ここで p , r , q , s は有理整数で p s - q r = ±1 である。 B = (p , r )/(q , s ) とおけば、B ∈ GL_2(Z) であり、 β = Bω となる。 従って、α = Aω = AB^(-1)ω となり AB^(-1) ∈ GL_2(Z) である。 証明終 117 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/04/08(日) 17 59 59 116 従って、α = Aω = AB^(-1)ω となり 従って、α = Aω = AB^(-1)β となり 118 :β ◆aelgVCJ1hU :2007/04/08(日) 18 09 04 呼んだか・・? 119 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/04/08(日) 19 46 47 112 このとき、ある実無理数 ω と n ≧ 1, m ≧ 1 があり、 このとき、ある実無理数 ω > 1 と n ≧ 1, m ≧ 1 があり、 120 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/04/09(月) 22 34 11 補題 θ を簡約された2次無理数とし、 θ = (pθ + q)/(rθ + s) とする。 ここで p, q, r, s は有理整数で ps - qr = ±1 である。 このとき (rθ + s)(rθ + s) = ε である。 ここで θ は θ の共役で ε = ps - qr = ±1 である。 証明 θ = (pθ + q)/(rθ + s) より、 θ(rθ + s) = pθ + q rθ^2 + (s - p)θ - q = 0 よって θ は rx^2 + (s - p)x - q の根である。 よって rx^2 + (s - p)x - q = r(x - θ)(x - θ ) 従って r(θ + θ ) = p - s rθθ = -q (rθ + s)(rθ + s) = r^2θθ + rs(θ + θ ) + s^2 = -qr + s(p - s) + s^2 = ps - qr = ε 証明終 121 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/04/11(水) 12 51 05 120 証明からわかるように、θ は単に2次無理数であればよく、 簡約された2次無理数である必用はなかった。 122 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/04/11(水) 15 16 24 命題(高木の初等整数論講義) θ を簡約された2次無理数とし、 θ = (pθ + q)/(rθ + s) とする。 ここで p, q, r, s は有理整数で ps - qr = ±1 である。 さらに、rθ + s > 1 とする。 このときある n ≧ 1 があり、 θ = [k_0, . . . , k_(n-1), θ] となる。 ここで、各 k_i は有理整数で i ≧ 1 のとき k_i ≧ 1 である。 証明 E = rθ + s, E = rθ + s とおく。 120 より EE = ps - qr = ±1 である。 |EE | = 1 で E > 1 だから |E | < 1 したがって、E - E > 0 即ち r(θ - θ ) > 0 θ は簡約された2次無理数だから、θ > 1, -1 < θ < 0 である( 95)。 よって、θ - θ > 0 だから r > 0 である。 よって、rθ + s > -r + s EE = 1 のとき E > 1 より 1 > E > 0 よって r + 1 > r + E 一方、上より E > -r + s だから r + E > s よって r + 1 > s よって r ≧ s EE = -1 のときは E > 1 より 0 > E > -1 よって r > r + E 一方 r + E > s だから r > s (続く) 123 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/04/11(水) 16 26 18 122 の続き。 EE = 1 のとき E > 0 すなわち rθ + s > 0 だから s > -rθ > 0 この場合 r ≧ s だったから r > s なら 110 より本命題は従う。 EE = -1 のとき 0 > E > -1 一方 r > 0 で θ < 0 だから s > rθ + s よって s > - 1 即ち s ≧ 0 である。 r > s だったから s > 0 ならやはり 110 より本命題は従う。 残るのは EE = 1 で r = s > 0 の場合と EE = -1 で r > s = 0 の場合である。 EE = 1 で r = s > 0 なら、 pr - qr = 1 (p - q)r = 1 r > 0 だから r = 1 よって q = p - 1 θ = (pθ + p - 1)/(θ + 1) = (p(θ + 1) - 1)/(θ + 1) = p - 1/(θ + 1) = p - 1 + 1 - 1/(θ + 1) = p - 1 + θ/(θ + 1) = p - 1 + 1/(1 + 1/θ) よって θ = [p - 1, 1, θ] となり、この場合も本命題は従う。 EE = -1 で r > s = 0 なら、 ps - qr = -qr = -1 よって qr = 1 r > 0 だから r = q = 1 θ = (pθ + 1)/θ = p + 1/θ = [p, θ] よって、この場合も本命題は従う。 証明終 124 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/04/11(水) 20 28 21 123 よって q = p - 1 θ = (pθ + p - 1)/(θ + 1) = (p(θ + 1) - 1)/(θ + 1) = p - 1/(θ + 1) = p - 1 + 1 - 1/(θ + 1) = p - 1 + よって θ = [p - 1, 1, θ] となり、この場合も本命題は従う。 ここは高木のように以下のようにしたほうが良かった。 よって p = q + 1 θ = ((q + 1)θ + q)/(θ + 1) = q + θ/(θ + 1) = q + 1/(1 + 1/θ) よって θ = [q, 1, θ] となり、この場合も本命題は従う。 125 :132人目の素数さん:2007/04/12(木) 06 33 11 Thomas Pietraho. 126 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/04/12(木) 12 41 15 θ を実2次無理数とする。 θ は2次多項式 ax^2 + bx + c の根である。 ここで a, b, c は有理整数で a > 0, gcd(a, b, c) = 1 である。 a, b, c は θ により一意に決まる。 2次方程式の根の公式よりθ = (-b ± √D)/2a である。 話を固定するため θ = (-b + √D)/2a と仮定する。 ここで D = b^2 - 4ac である。 D は θ の判別式である(過去スレ4の276)。 θ は実数と仮定したから D > 0 である。 D = b^2 - 4ac だから D ≡ b^2 (mod 4) である。 0^2 ≡ 0 (mod 4) 1^2 ≡ 1 (mod 4) 2^2 ≡ 0 (mod 4) 3^2 ≡ 1 (mod 4) よって D ≡ 0 (mod 4) または D ≡ 1 (mod 4) である。 θ は無理数だから D は平方数でない。 従って、過去スレ4の586より D はある2次体 Q(√m) の整環 R = [1, fω] の判別式になる。 D = (f^2)d である。 ここで f は有理整数 f > 0 であり d は Q(√m) の判別式である。 過去スレ4の587より I = [a, (-b + √D)/2] = [a, aθ] は R のイデアルである。 過去スレ4の592より I は可逆イデアルである。 127 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/04/12(木) 20 56 36 θ を実2次無理数とする。 θ は2次多項式 ax^2 + bx + c の根である。 ここで a, b, c は有理整数で a > 0, gcd(a, b, c) = 1 である。 a, b, c は θ により一意に決まる。 2次方程式の根の公式よりθ = (-b ± √D)/2a である。 話を固定するため θ = (-b + √D)/2a と仮定する。 ここで D = b^2 - 4ac である。 D は θ の判別式である(過去スレ4の276)。 θ は実数と仮定したから D > 0 である。 D = b^2 - 4ac だから D ≡ b^2 (mod 4) である。 0^2 ≡ 0 (mod 4) 1^2 ≡ 1 (mod 4) 2^2 ≡ 0 (mod 4) 3^2 ≡ 1 (mod 4) よって D ≡ 0 (mod 4) または D ≡ 1 (mod 4) である。 θ は無理数だから D は平方数でない。 従って、過去スレ4の586より D はある2次体 Q(√m) の整環 R = [1, fω] の判別式になる。 D = (f^2)d である。 ここで f は有理整数 f > 0 であり d は Q(√m) の判別式である。 過去スレ4の587より I = [a, (-b + √D)/2] = [a, aθ] は R のイデアルである。 過去スレ4の592より I は可逆イデアルである。 128 :132人目の素数さん:2007/04/12(木) 21 04 02 Googleがking仕様になったぞ 早く見てみろ 129 :132人目の素数さん:2007/04/12(木) 21 07 46 ax^2 + bx + c=0 の解はa,b,cの関数で、逆函数がある。 2つの2次曲線の交点が解だと、逆函数は存在しない。 でも2次曲線のx切片が2個決まれば、その2点を通る2次曲線は 無限にある。 130 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/04/13(金) 12 06 28 127 の続き。 (1) m ≡ 1 (mod 4) のとき ω = (1 + √m)/2 であり、d = m である(過去スレ3の768)。 D = (f^2)m より (-b + √D)/2 = (-b + f√m)/2 = (-b - f + f(1 + √m))/2 = -(b + f)/2 + fω D ≡ f^2 (mod 4) だから b^2 ≡ f^2 (mod 4) よって b^2 ≡ f^2 (mod 2) よって b ≡ f (mod 2) よって b + f ≡ 0 (mod 2) 即ち -(b + f)/2 は有理整数である。 (2) m ≡ 2 (mod 4) または m ≡ 3 (mod 4) のとき ω = √m であり、d = 4m である(過去スレ3の768)。 D = 4(f^2)m より (-b + √D)/2 = (-b + 2f√m)/2 = -b/2 + fω D ≡ 0 (mod 4) だから b^2 ≡ 0 (mod 4) よって b ≡ 0 (mod 2) 即ち -b/2 は有理整数である。 131 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/04/13(金) 16 58 24 130 の続き。 I = [a, (-b + √D)/2] = [a, aθ] = [a, c + fω] である。 ここで、 m ≡ 1 (mod 4) のとき c = -(b + f)/2 m ≡ 2 (mod 4) または m ≡ 3 (mod 4) のとき c = -b/2 I = αI となる α ∈ Q(√m) があるとする。 過去スレ4の593より θ = (pθ + q)/(rθ + s) となる。 ここで p, q, r, s は有理整数で ps - qr = ±1 である。 逆に、ps - qr = ±1 となる有理整数 p, q, r, s があり、 θ = (pθ + q)/(rθ + s) とすると、過去スレ4の593より I = αI となる。 ここで、α = rθ + s である。 I は可逆イデアルだから I = αI なら II^(-1) = αII^(-1) II^(-1) = R だから R = αR である。ここで R = [1, fω]。 よって αβ = 1 となる β ∈ R がある。 即ち α は R の単数である。 逆に α が R の単数なら αR = R だから I = RI = αRI = αI 132 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/04/13(金) 17 02 38 過去スレ4の590より R = {(x + y√D)/2 ; x ∈ Z, y ∈ Z, x ≡ yD (mod 2) } である。 従って、 D ≡ 0 (mod 4) のとき R = {(u + v√D)/2 ; u ∈ Z, v ∈ Z, u ≡ 0 (mod 2) } である。 D ≡ 1 (mod 4) のとき R = {(u + v√D)/2 ; u ∈ Z, v ∈ Z, u ≡ v (mod 2) } である。 α = (u + v√D)/2 が R の単数なら、 αα = (u + v√D)/2 (u - v√D)/2 = (u^2 - Dv^2)/4 = ±1 逆に (u, v) が u^2 - Dv^2 = ±4 の有理整数解なら u^2 ≡ Dv^2 (mod 4) D ≡ 0 (mod 4) のとき u^2 ≡ 0 (mod 4) u ≡ 0 (mod 2) D ≡ 1 (mod 4) のとき u^2 ≡ v^2 (mod 4) u ≡ v (mod 2) よって、いずれの場合にも α = (u + v√D)/2 は R の元であり 従って R の単数である。 133 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/04/13(金) 17 06 01 (u, v) が u^2 - Dv^2 = ±4 の有理整数解なら (u, -v), (-u, v), (-u, -v) も同様である。 これ等には、それぞれ α , -α , -α が対応する。 u > 0, v > 0 なら D ≧ 2 だから α = (u + v√D)/2 ≧ (1 + √2)/2 > 1 以上から、次のことが分かった。 α を R の単数とすると、α, α , -α , -α のどれか一つは 1 より大きい。 134 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/04/13(金) 17 27 10 133 を以下のように訂正する。 (u, v) が u^2 - Dv^2 = ±4 の有理整数解なら (u, -v), (-u, v), (-u, -v) も同様である。 これ等には、それぞれ α , -α , -α が対応する。 u = 0 なら -Dv^2 = ±4 より v^2 = 1 または v^2 = 4 となり D = 4 または D = 1 となって矛盾。 v = 0 なら u^2 = 4 より u = ±2 となり α = ±1 である。 u > 0, v > 0 なら D ≧ 2 だから α = (u + v√D)/2 ≧ (1 + √2)/2 > 1 以上から、次のことが分かった。 α ≠ ±1 を R の単数とすると、α, α , -α , -α のどれか一つは 1 より大きい。 135 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/04/13(金) 21 52 44 131 より θ = (pθ + q)/(rθ + s) なら rθ + s は R の単数である。 よって 132 より rθ + s = (u + v√D)/2 となる。 ここで (u, v) は u^2 - Dv^2 = ±4 の有理整数解である。 p, q, r, s を u, v で表してみよう。 (u + v√D)/2 = rθ + s = r(-b + √D)/2a + s よって v = r/a よって r = av u/2 = -rb/2a + s だから u/2 = -vb/2 + s s = (u + vb)/2 θ = (pθ + q)/(rθ + s) だから θ(rθ + s) = pθ + q これに θ = (-b + √D)/2a を代入して (u + v√D)/2 (-b + √D)/2a = p(-b + √D)/2a + q (-ub + (u - vb)√D + vD)/4a = 2p(-b + √D)/4a + q よって (-ub + vD)/4a = (4aq - 2pb)/4a -ub + vD = 4aq - 2pb (u - vb)/4a = 2p/4a p = (u - bv)/2 -ub + vD = 4aq - 2pb = 4aq - (u - bv)b -b^2v + vD = 4aq q = v(-b^2 + D)/4a = -4acv/4a = -cv 以上から (p, q/(r, s) = ((u - bv)/2, -cv)/(av, (u + bv)/2) 136 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/04/13(金) 22 08 52 122 このときある n ≧ 1 があり、 θ = [k_0, . . . , k_(n-1), θ] となる。 ここで、各 k_i は有理整数で i ≧ 1 のとき k_i ≧ 1 である。 θ > 1 だから k_0 ≧ 1 でもある。 137 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/04/13(金) 22 44 28 命題 θ, R は 126 同じとする。 A = (p_0, q_0)/(r_0, s_0) ∈ GL_2(Z) B = (p_1, q_1)/(r_1, s_1) ∈ GL_2(Z) で θ = Aθ θ = Bθ とする。 E_0 = r_0θ + s_0 E_1 = r_1θ + s_1 とおけば、 131 より E_0, E_1 は R の単数である。 AB = C とすれば θ = Cθ である。 C = (p_2, q_2)/(r_2, s_2) ∈ GL_2(Z) E_2 = r_2θ + s_2 とおく。 このとき、E_0E_1 = E_2 である。 証明 E_0E_1 = (r_0θ + s_0)(r_1θ + s_1) = r_0θ(r_1θ + s_1) + s_0(r_1θ + s_1) = r_0(p_1θ + q_1) + s_0(r_1θ + s_1) = (r_0p_1 + s_0r_1)θ + (r_0q_1 + s_0s_1) = r_2θ + s_2 証明終 138 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/04/14(土) 00 52 14 R = [1, fω] を実2次体 Q(√m) の整環とし、D をその判別式とする。 θ を判別式 D の簡約された2次無理数とする。 127 において θ が簡約された2次無理数の場合を考える。 101 より θ は純循環連分数に展開される。 θ = [k_0, . . . , k_(n-1), θ] で、k_0, . . . , k_(n-1) が 最短の純循節とする。 θ = (p_(n-1)θ + p_(n-2))/(q_(n-1)θ + q_(n-2)) で p_(n-1)q_(n-2) - q_(n-1)p_(n-2) = (-1)^n である( 43, 44, 57)。 θ > 1 で q_(n-1) > 0, q_(n-2) ≧ 0 だから E = q_(n-1)θ + q_(n-2) > 1 である。 131 より E は R の単数である。 α を R の単数で α > 1 とする。 α も R の単数であるから 131 より I = α I である。 よって θ = (pθ + q)/(rθ + s) となる 有理整数 p, q, r, s で ps - qr = ±1 となるものがあり、 α = rθ + s である。 よって α = rθ + s である。 α > 1 だから 122 より rθ + s はθの連分数展開から得られる。 よって 137 より α = E^m となる m ≧ 1 がある。 139 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/04/14(土) 01 07 04 α を R の単数で α > 1 とする。 α も R の単数であるから 131 より I = α I である。 よって θ = (pθ + q)/(rθ + s) となる 有理整数 p, q, r, s で ps - qr = ±1 となるものがあり、 α = rθ + s である。 よって α = rθ + s である。 α > 1 だから 122 より rθ + s はθの連分数展開から得られる。 よって 137 より α = E^m となる m ≧ 1 がある。 α を R の単数で 0 < α < 1 とすると、1/α > 1 だから 138 より 1/α = E^m となる m ≧ 1 がある。 よって α = E^(-m) である。 α < 0 なら -α > 0 だから α ≠ -1 なら上でのべたことから -α = E^m となる m ≠ 0 がある。 以上から R の任意の単数は ±E^m, m ∈ Z と書ける。 E を R の基本単数と呼ぶ。 140 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/04/14(土) 01 12 10 138 R = [1, fω] を実2次体 Q(√m) の整環とし、D をその判別式とする。 θ を判別式 D の簡約された2次無理数とする。 この部分は不要なので削除する。 141 :132人目の素数さん:2007/04/14(土) 04 10 00 16 142 :132人目の素数さん:2007/04/14(土) 04 11 00 17 143 :132人目の素数さん:2007/04/14(土) 04 12 00 16 144 :132人目の素数さん:2007/04/14(土) 04 13 00 15 145 :132人目の素数さん:2007/04/14(土) 04 14 02 14 146 :132人目の素数さん:2007/04/14(土) 04 15 00 13 147 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/04/21(土) 10 13 27 連分数の理論を(2元)2次形式論と実2次体に応用するためには、 2次の無理数と2次形式と2次体のイデアルの3者の関係をはっきり させておいたほうが良い。 この関係は過去スレ4でもある程度扱ったが、ここではより詳しく 述べる。 ここで述べる定式化は Henri Cohen の A course in computational algebraic number thery から拝借した。 148 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/04/21(土) 10 43 56 D を平方数でない有理整数で、D ≡ 0 または 1 (mod 4) とする。 過去スレ4の586より D はある2次体 Q(√m) の整環 R の 判別式である。 I を R の分数イデアル(過去スレ2の677)とする。 即ち、Q(√m) の R-部分加群 I が次の条件を満たすとき I を R の 分数イデアルと呼ぶ。 1) I ≠ 0 2) Q(√m) の元 x ≠ 0 で xI ⊂ R となるものがある。 定義より、I = (1/α)J と書ける。 ここで J は R のイデアルで α は R の元である。 I のノルム N(I) を N(I) = N(J)/|N(α)| で定義する。 これが J と α の取り方によらないことは証明を要する。 149 :132人目の素数さん:2007/04/21(土) 10 57 54 糞 150 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/04/21(土) 11 17 07 補題 R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とし、 I ≠ 0 を R のイデアルとする。 R = [μ, ν] を R のある基底による表示とする。 I = [α, β] を I のある基底による表示とする。 I ⊂ R だから α = pμ + qν β = rμ + sν と書ける。ここで p, q, r, s は有理整数である。 このとき N(I) = |ps - qr| である。 証明 I = [a, b + cfω] を I の標準基底 (過去スレ4の429) による 表示とする。 N(I) = ac である(過去スレ4の438)。 [μ, ν] の [1, fω] による変換行列を A とする。 つまり、(μ, ν) = A(1, fω) である。 ここで、(μ, ν) , (1, fω) はそれぞれ列ベクトルを表す。 同様に [a, b + cfω] の [1, fω] による変換行列を B とする。 つまり、(a, b + cfω) = B(1, fω) である。 ここで、B = (a, 0)/(b, c) である。 同様に [α, β] の [a, b + cfω] による変換行列を C とする。 (α, β) = C(a, b + cfω) = CB(1, fω) = CBA^(-1) (μ, ν) 従って、P = (p, q)/(r, s) とおけば P = CBA^(-1) である。 det(A) = ±1, det(C) = ±1 だから |det(P)| = |det(B)| = ac = N(I) det(P) = ps - qr だから N(I) = |ps - qr| である。 証明終 151 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/04/21(土) 11 30 20 補題 R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とし、 I ≠ 0 を R のイデアルとする。 R = [μ, ν] を R のある基底による表示とする。 I = [α, β] を I のある基底による表示とする。 I ⊂ R だから α = pμ + qν β = rμ + sν と書ける。ここで p, q, r, s は有理整数である。 このとき αβ - α β = (ps - qr)(μν - μ ν) 証明 (α, α )/(β, β ) = (p, q)/(r, s) (μ, μ )/(ν, ν ) である。 両辺の行列式をとればよい。 証明終 152 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/04/21(土) 11 47 49 補題 R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とし、 I ≠ 0 を R のイデアルとする。 I = [α, β] を I のある基底による表示とする。 (αβ - α β)^2 は有理整数 > 0 であり、基底 α, β の 取り方によらない。 証明 I = [γ, δ] を I の別の基底による表示とする。 [α, β] の [γ, δ] による変換行列を P とすれば 151 と同様にして αβ - α β = (ps - qr)(γδ - γ δ) 両辺を2乗して (αβ - α β)^2 = (ps - qr)^2 (γδ - γ δ)^2 det(P) = ±1 だから (αβ - α β)^2 = (γδ - γ δ)^2 証明終 153 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/04/21(土) 11 54 18 定義 R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とし、 I ≠ 0 を R のイデアルとする。 I = [α, β] を I のある基底による表示とする。 d(I) = (αβ - α β)^2 と書き、これを I の判別式という。 152 より、これは基底 α, β の取り方によらない。 d(I) を d(α, β) とも書く。 容易にわかるように d(R) は R の判別式に一致する。 さらに d(1, ω) は2次体 Q(√m) の判別式である。 154 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/04/21(土) 11 59 03 補題 R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とし、 I ≠ 0 を R のイデアルとする。 d(I) = (N(I)^2)d(R)である。 証明 定義( 152) と 150, 151 より明らかである。 155 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/04/21(土) 12 05 04 定義 α, β を2次体 Q(√m) の元とする。 Δ(α, β) = αβ - α β と書く。 156 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/04/21(土) 12 19 47 補題 α, β, γ を2次体 Q(√m) の元とする。 Δ(γα, γβ) = N(γ)Δ(α, β) である。 証明 Δ(γα, γβ) = γαγ β - γ α γβ = γγ (αβ - α β) = N(γ)Δ(α, β) 証明終 157 :132人目の素数さん:2007/04/22(日) 04 10 00 12 158 :132人目の素数さん:2007/04/22(日) 04 11 00 11 159 :132人目の素数さん:2007/04/22(日) 04 12 00 10 160 :132人目の素数さん:2007/04/22(日) 04 13 00 9 タグ: コメント
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>a2047 それ、誰のこと? 2005/ 4/30 5 18 [ No.31918 / 39216] 投稿者 ja2047 あなたに欠けているには以下の視点。 安倍晋三氏の見解だが、 政治家というものは、虚実ぎりぎりのところで発言して、 民衆を煽るのも仕事のうちなので、 私とは全く視点が違います。 何度も表明しているように、私は一軍事マニアの視点で実際に起こったことを考察する、というスタンスでおりますので、国家間の駆け引きのために、あるいは自分の政治的立場を有利にするために、目下の力関係を有利にするためだけの発言をしなければならない政治家の視点は、むしろ出来るだけ排除しているわけです。 あなたの引用した阿部氏の発言というものが、本当になされたものかどうか、あるいはどういう文脈の中でなされたものか一切不明なので、仮に事実であり、引用が阿部氏の発言内容を正確に伝えているとしての前提でコメントすれば、 「三十万人も殺害したとなれば、最初から中国人の皆殺しを目的にしたもので戦争とは別の行為であり、戦場の興奮から起こるものとは意図も規模も異なる」 というのは、阿部氏が自分で勝手に作り上げた命題を前提に、「だから間違いだ」 と発言しているというだけのことであって、つまり、単にマッチポンプをやっているというだけのことであり、「実際には何が起こったのか」 ということとは全く無関係の発言です。 事実を言えば、私が犠牲者数30万を全く信じていないことは別にしても、東京裁判も南京裁判も現在の中国政府の見解も、南京事件(南京大屠殺)を「最初から中国人の皆殺しを目的にしたもの」 とは主張していないわけですし、事件発生当時の日本の軍幹部や政府の中枢は、南京における不祥事の発生について非常に問題視しているわけですから、「中国人皆殺し政策」など、あったはずもありません。 阿部発言は政治的なアジテーションなのですから、この種の視点を欠いていることが 事実の考察について瑕疵になるものではありません。 これは メッセージ 31899 antimarck さんに対する返信です 戻る
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当時のアメルダさん クラーラの正体? 徳庵教授について 徳庵教授と知恵者の時間跳躍に対するスタンス エステル 当時のアメルダさん L:当時のアメルダさん ={ t:アメルダさんは前ポチ王女の教育係=前ポチ王女の失踪と同時期に退職した。=アメルダさんは前ポチ王女を探す旅に出た。 t:アメルダさんは前ポチ王女を探している=アメルダさんは前ポチ王女を助けようと思っている。 } #この情報はかなり古いので、今は変わっています クラーラの正体? L:クラーラの正体?={ t:コールサインはプリンセスポチ={ クラーラは前ポチ王女 白の章で鈴木に介入していた。 クラーラはエース、或いは神聖同盟に所属する人間である クラーラはポチ王女のネットやゲームなどでのハンドルネーム。 } t:佐藤はポチ王女が鈴木ではないと思った=ファンタジアはOVERSであり、ポチ王女から一方通行に佐藤を認識していた。 t:クラーラとポチ王女は同一人物であり鈴木に介入していた=ただし介入は一方的であり実際のポチ王女とはだいぶ違うので佐藤には分からなかった。 t:クラーラはAと知り合い=実はずっと前からOVERSで介入を何度もしていてAとも知り合い。 } #この命題は解かれていないため、不完全です。 徳庵教授について L:徳庵教授について={ t:徳庵教授は一度、悲しい未来を変えるために時間の輪を越えている=人が時と世代を重ねることの意味を、徳庵はしっている t:徳庵教授と連絡がつく=徳庵教授と交渉できる t:グローリー式典仕様は徳庵教授によって改造されている=夜明けの船へ徳庵教授を呼ぶことができる } 徳庵教授と知恵者の時間跳躍に対するスタンス L:徳庵教授と知恵者の時間跳躍に対するスタンス={ t:徳庵教授は協力しない=教授は、時間跳躍に反対である t:二人はこちらの説得に対し、道義・道理・心情的な理由によって応じない。=二人はこちらの説得に対し乙女の涙を持ってすら曲げぬ不屈の道義・道理・心情的な理由によって応じない。 } エステル t:エステルは宇宙船で一生を暮らす民出身である=側面:宇宙での燃料精製についても知識がある。
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本日はとある映画のエキストラとして、横浜の赤レンガ倉庫の近くにあるスタジオにて撮影をしてきました。映画の撮影現場というのはなかなか特殊なところですね。人があんなに沢山いて一つの事をやっているというのに、ほとんどの人と会話を交わすことはありません。挨拶は別ですよ。 映画は今冬公開予定の落語を題材といた映画「猿後家はつらいよ」。この映画の中で猿後家という映画(劇中劇)が撮影されまして、自分が出たシーンはその劇中劇の撮影風景。 実際のスタジオ内で、大量の人がカメラの間を縫うように入り乱れる、三分程度のちょっと長めのシーン。撮影開始から3時間くらいかけて一人ひとりの動きをつけていき、何度も同じような動きを十数テイク繰り返してやっと完成。ふう、疲れた疲れた。 まあ自分のようなエキストラよりも、監督さんをはじめとした撮影スタッフの皆さんや、セリフを間違えたら即取り直しになってしまう役者さんがたの方がもっと疲れたことでしょう。お疲れさまでした。 別のシーンにも出るかもという話でしたが、撮影がオシてしまったので自分の次の予定とバッティング。お先に失礼させていただきました。 その後の夕刻以降は、とある団体の司会オーディションにも参加してきました。 シックな服装でということだったので、濃いグレーのスーツ、真っ黒のシャツ、そしてまた濃いグレーのネクタイ…という、歌舞伎町の客引きのようないでたちで臨んでまいりました。 とある団体が行った本物のイベントのエンディング部分の進行を、本番に使われた会場で実際にやる、というものでした。 人数が意外と多く、一人ひとりの持ち時間が短くなってしまい、かなりテンポよく進めないとエンディングの中の山場にたどりつかないような感じになっていました。 自分はとりあえず山場に辿り着くことを至上命題とし、もともと入れたかった小ネタは少し控え目にしてやってみました。 これが吉と出るか凶と出るかは、今週末までに判明するとのこと。ドキドキ といった感じで、本日は結構盛りだくさんの一日でした。 今週は他にも予定がいろいろあるし、パズル関連の〆切も迫っているのですが、 私はちゃんと凌げるのでしょうか… ギリギリ人間xevsの真価が試される一週間となりそうです。
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HP CHAINGANG(DL Site) 内容等 女の子同士でSEXに励み、赤ちゃんを産んでいく、レトロ風味デザインの百合えっちRPG! ◆あらすじ◆ そこは、とある剣と魔法のファンタジー世界……外界から隔絶された山岳地方。 今日も村里を賑わしているのは、元気でかわいい、やんちゃ盛りな仲良し4人の女の子たち。 アホの子「ピリコ」、臆病者「アリア」、高慢ちき「マーレ」、ド変態「テレノ」。 彼女たちの暮らす村は、しかし年老いたお婆ちゃんばっかりで、正に超少子高齢化問題に直面していた! そこで、若い4人の女の子たちは、子孫を残すため、村に古くより伝わる『子作り試練』に挑むこととなった―― ◆自由度の高いフリーシナリオ◆ 4人の女の子のうち、どの子を主人公にして、どの子を攻略キャラにするか……カップリングはプレイするアナタ次第! 好感度を高めながらダンジョンを攻略していき、至福のSEXの果てに赤ちゃんを出産していきます。 以降、再びキャラクターを選択して周回プレイを行っていき、徐々に村の人口を増やしていくのが、このゲームの大まかな流れです。 その際、選んだカップリングによってイベントが変化するのはもちろん、「攻め」と「受け」を逆カプにしてみても、全く違った台詞を楽しむことができます。 更に、子孫を残すという命題とは別に、彼女たちの暮らす世界を自由に冒険することも可能! 君は女の子たちをSEXさせ、ひたすら子作りに励んでも良いし、真理の探求を志し、閉ざされた世界の向こう側を目指してもいい。 総ては、プレイするアナタ次第! ◆デュアル・セックス・システム◆ 本作は「女の子同士でも子孫残せる!」をテーマに、今までにないファンタジーSEXを提唱! 精液を精製する「性殖の蕾」を口に含めば、優しい「アルテマ百合SEX」に、膣に挿せば、激しい「仮性ふたなりSEX」に、Hパートがそれぞれ分岐します。 しかも、回想モードでは選択しなかった方のHシーンも自動解放されます。 愛情いっぱいの「百合えっち」を、是非お楽しみください!(公式より) 備考 RPG部分の序盤が中々シビア。 アルテマ百合は口から精液という描写ではあるので注意。 名前 コメント すべてのコメントを見る
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149 名前:命題『彼女にNOと言わせる方法』[sage] 投稿日:2013/09/02(月) 18 33 48.22 ID Zj3ld4gi [2/13] 突然だが、道路の上で干からびているミミズを想像してもらいたい。夏、特に太陽がさんさんと照りつける猛暑に見られるあの光景をだ。 誰もが一度は見たことがあるであろう、あの枯れた死骸。それを見て、誰もがこう思ったはずだ。 あいつら、阿呆じゃなかろうか。 土の中で大人しくしていればいいものを、どうして地表へと這い出て、あまつさえ焼けたコンクリートに身を投げるのか。はっきり言って、訳がわからない。気が狂っているとしか思えない奇行である。 さて、ここで疑問なのだが、何故ミミズはそのような投身自殺めいた真似をするのか。 確かに、ミミズは知能面においては他の生物に比べ著しく劣っているだろう。だが、ミミズには知性が無くとも本能があるではないか。 仮に誤って真夏の道路へと接近してしまっても、 「おい待てよ、ここらへんちょっと熱くねえか。もしかして、これ以上進んだらヤベェんじゃねえか。俺、干からびて死んじまうんじゃねえか」 と、生まれ持った本能が慌てて警鐘を鳴らし、一命を取り留めるはずなのだ。 我々人類はあまりに知性が発達しているため忘れがちなのだが、地球上に生きとし生けるものは皆、本能の命によって動いている。 そうでなければ、生物たちはもっと阿呆な行動をとっているだろうし、生態系なぞとうの昔に崩壊を迎えている。我々は皆、例に違わず本能の奴隷なのだ。 それでは、もう少し視界を広げてみよう。 以上の説を敷衍すると、生物はそう簡単に本能を喪失しないことがわかる。当然だ。生物にとって本能はまさに生命線と成り得るのだから。 なのに、何故ミミズたちは愚行へと走ってしまうのか。何故ハンバーガーの包み紙のごとく自らの命をポイ捨てしてしまうのか。 フッフッフッフ。 人類が長らく抱えてきたこの難問を、本日僕が解き明かしてしまったというわけだ。 いやぁ、ねぇ。まったく、自分の才能が恐ろしいよ。隠された真理を容易く暴いてしまうこの才能がね。もしかしなくても、僕は科学者や探偵に向いているのかもしれない。 さて。 いきなりだが、この世紀の大発見とも言っても差し支えのない秘密を、今、僕は惜しみなく世に喧伝しようと思う。 え? なんだって? 複雑怪奇極まるミミズの謎を、そんな簡単に公表してしまってもいいのかって? ははは。なあに、もったいないとは思わないさ。ぜんぜん思わないよ。知識の共有は、人類に与えられた共通の使命なのだから。僕も一人の知識人として、奉仕の精神くらい持ち合わせている。 えー、ゴホン。 それでは、公表じゃないか。真夏のコンクリートの上で、ミミズが干からびてしまう理由を。あ、ドラムロールの準備はしといてくれよ。今、一番大事なところなんだから。 ダラダラダラダラダラダラ、と軽快なドラムロールが響き渡る。スポットライトは四方に揺れ、やがて一点、すなわち僕のところで停止した。 観客は息をのんでいる。ゴクリ、と生唾を飲み込む音さえ聞こえてきそうな静謐な空間の中、僕はじわじわゆっくり開口する。 ――その真相とは、 「暑いからだよ!」 僕は勢いよくソファから立ち上がると、天に向かって咆哮した。しかし、すぐさま熱気と湿気のダブルパンチにのされてしまい、ヘナヘナとフローリングの床に倒れ込む。床はひんやりしていて気持ちよい。 何故ミミズは焼け死ぬのか。答えなど考えるまでもなかった。 ミミズがおかしくなるのは暑いからだ。そして、暑気の影響を受けるのは人間も同じだった。人間だってあまりに暑いと思考が鈍り、全部がどうでもよくなり、やがて本能は陽炎のように立ち消えていく……。 「そんで死んでしまうのよね……」 冷たい床にほっぺたをくっつけ、ひとりごちる。 150 名前:命題『彼女にNOと言わせる方法』[sage] 投稿日:2013/09/02(月) 18 37 46.17 ID Zj3ld4gi [3/13] 夏休みに入ってから、かれこれ一週間が過ぎていた。 その間、僕といえば級友たちと共に野球に興じたり、川釣りに出かけたり、自転車で隣町まで行ったりと順調にサマーバケーションをエンジョイしていた。 そして、今日はたまたま何の遊びの予定も入っていおらず暇だったので、アイスキャンディーを舐めながら夏に放映される懐かしアニメを視聴していたのだが……。 悲劇はいつも、突然訪れる。 「うんともすんともいわないわね……」 脚立に登って、しばらくクーラーをいじっていた母さんが遂に諦念を吐き出した。 少し前までは異音を発しながらも健気に起動していたクーラーは、既に呼吸を止めている。そのためリビングにじわじわと熱気の魔の手が伸び始め、僕の額にもポツポツと汗の粒が浮かび始めていた。 必然、声にも焦りが生まれるというものだ。 「どうにかならないのか、母さん」 「厳しいわね。今まではゴルフクラブで叩いたりすればすぐに治ったのに、今回はピクリとも動かない。いい加減、寿命だったのかしらん」 脚立を片付けた後、母さんはクーラーを見上げてしみじみと呟く。 「思い返せば、随分と長く使ってきたからねぇ……」 母さんは過ぎ去りしクーラーとの日々に郷愁を感じているようだが、僕はそんな悠長な真似できやしない。こちとら死活問題なのだ。 「ほ、本当に、本当にどうにもならないのかよ母さん。家族の一員といっても差し支えのない、大切なクーラーくんじゃないか」 「うん。駄目ね。コイツ、完全死亡」 しかし、母さんはむべもなく淡々とクーラーの絶命を宣言した。 「そ、そんな、嘘だ……嘘だよ……」 僕はフラフラと、それこそいつか見たカツオブシのようにフラフラと、クーラーの下へと歩み寄った。 膝から崩れ落ち、床に手をつく。胸には、冷え冷えとした風が去来していた。部屋は暑いのに冷え冷えとはこれいかに。 確かに、このクーラーは長年戦ってくれた。時折不調な気配を見せつつも、それでも殊勝に働き続けてくれた。喩えるのなら、最低限試合をつくってくれるベテランの先発投手である。 そのクーラー選手の、突然の電撃引退だった。燃費の悪さを黙殺しつつ我慢を重ねて起用してきた十年目のベテラン選手は、こうも呆気なく終わってしまった。 「くっ……」 目頭が熱くなった。油断すれば、そのまま落涙しかねないほどの深い悲しみか襲い来る。 改めて見るクーラーは、確かにオンボロだった。プラスチックの外装は黄ばんでいるし、ところどころひび割れているし、今まで持ったのが奇跡だったのだろう。母さんも、ゴルフクラブで殴打したとか宣ってたし。 その姿を見て、僕は思い直す。 これ以上、このクーラーに働けというのは、些か残酷ではないのか。彼は見ての通り、耐年数以上によく働いてくれた。そんな功労者に、僕は更に鞭を打とうというのか。 ――いや、そんな非道は出来ない。 水っぽくなった目元を拭い、僕は立ち上がる。 いい加減、彼を引退させてやろうと決意した。 人は、いつまでも過去に囚われていてはいけないのだ。それでは、一生前に進めなくなる。同じ地点に留まってしまう。流れる水は腐らないが、溜めた水は腐るだろう? ああ、そうさ。確かに、僕だって辛いさ。後ろ髪を引かれるさ。このままずっと、クーラーとの楽しかった記憶を抱いて、永遠に眠り続けていたいさ。 だけど、それじゃあクーラーは喜ばないだろう。もし彼が生きていたら、きっと僕にこう言うはずさ。さっさと新しい一歩を踏み出せってね。 だから、僕は未来へと進み出す。 もう蘇ることのない老兵に無言で敬礼した。心中では簡素な悼みの言葉を送りつつ。 これで、もう十分だろう。これ以上、過去を引きずるのは野暮ってもんだぜ。 「今までありがとよ……」 最後に呟き、僕は完全にクーラーと決別した。 151 名前:命題『彼女にNOと言わせる方法』[sage] 投稿日:2013/09/02(月) 18 39 49.61 ID Zj3ld4gi [4/13] そして痛ましい表情のまま振り返り、母さんに尋ねる。 「で、新しいクーラーどうしよっか」 「買わないわよ」 「はあああああああああああああああ!?」 絶叫する。絶叫してしまう。僕は母さんに詰め寄り、非難の声を上げた。 「ななんなな、何を考えているんだ母さん! この類まれなる猛暑を記録している今夏を、クーラー無しにどうやって乗り越えようというんだ」 「はぁ、これだから現代っ子は……。あのねぇ、母さんが子供の頃はクーラーなんかなかったのよ。それでもみんな不平を言わなかったし、暑いなりに頑張って過ごしてた」 「はぁ? いつの時代の話だよそれ。昭和の事情なんて僕にゃあ知ったこっちゃないよ! こちとら平成生まれなんだよ。へ・い・せ・い。ドゥーユーアンダースアンド? それにねぇ、母さん。今と昔とじゃ地球の環境が全く違うってのをちゃんと理解してる? ねえ、地球温暖化って知ってる? 毎年、熱中症でどれくらいの子供が亡くなっているのか知ってる? ねえねえ知ってる? 母さん知ってる?」 「ああ、もう、うるさい!」 母さんは僕を突き飛ばすと、親の敵にでも相対したかのように睨みつけてくる。ふえぇ……実の息子に向ける視線じゃないよぅ……。 「○○もグダグダと屁理屈こねくり回すんじゃありません! 今最もナウいトレンドは節電でしょうが! ○○も今を生きる現代人なら、もっと地球に優しい高尚な考えを持ちなさい!」 「あ、僕そのスローガン嫌いだな。その地球に優しくってやつ。テレビでもよく云うけどさ、あれほど人間本位な言葉はないよね。そもそも地球の環境はマクロな視点で見れば絶えず変化しているのであり、」 「ほら、また屁理屈こねる!」 我慢できなくなったのか、遂に母さんはぽかりと僕の頭にゲンコツを食らわせてきた。さり気なく中指を立てたりしてるあたりが実に鬼畜だ。ほんと息子に容赦ないなこの人! 「とにかく、今年の夏はクーラー無しだから! もうこれは決定事項です! 再考の予知はありません! ○○も世俗の辛さを身をもって知るいい機会になるでしょうしね」 「ぐぬぬ……」 僕は頭を擦りつつ、母さんを睨みつける。が、もう覆す気はないのだろう。母さんはどこ吹く風で口笛なんぞ吹いている。 しかも、その後すぐにトンデモナイ台詞を吐きやがった。 「じゃあ、母さんは三丁目の後藤さんと近くの洋食レストランでお昼ご飯食べてくるから、○○はお留守番宜しく」 「なんたる殺生!」 と、まあこんなやりとりがあったのである。 そして現在、僕はボイルされたカニのように顔を真っ赤にして、母さんの言付けを守り、健気にも留守番をしているというわけだ。 「あつい……」 窓を全開にしても、風がちっとも吹かないので室内の温度は全く下がらなかった。生命の危機を感じつつある。真夏の太陽の度を越したイタズラにも限界だった。もうマジで消滅しろよ太陽。 「あ……」 と、遂に頼みの綱だったアイスキャンディー舐め終えてしまった。 駄目だ。唯一の清涼材を失った今、このままでは僕は正気を失うだろう。そして、干涸らびかけたミミズのように阿呆な行動へと走り、数多くの黒歴史をつくりあげるのだ。 いかんいかん。それだけはなんとしても避けなくてはならぬ。 とはいっても、誰が見ても絶体絶命の状況なのだ。どうやって窮地を抜け出そうというのか。きっと、大半の人はここで諦めてしまうだろう。ミミズの運命を受け入れてしまうに違いない。 だがしかし、 「僕には奥の手がある……!」 にやり、と意味深な笑みを浮かべて立ち上がる。 そう、僕には救世主がいた。地獄にたれこむ蜘蛛の糸のような、最高の救世主が! 僕は汗水を垂らしつつ、リビングを出て玄関へ向かった。 救世主のもとに行くのに、さほど時間はかからない。なぜなら、そいつは我が家のお隣に住んでいるからだ。 僕はサンダルをつっかけると、救世主、もといAの元へと向かったのだった。 152 名前:命題『彼女にNOと言わせる方法』[sage] 投稿日:2013/09/02(月) 18 41 54.40 ID Zj3ld4gi [5/13] 「涼しい!」 Aの部屋のドアを開けると、室内に溜まった冷気が僕を包み込んだ。身体に蓄積していた熱が一気に抜け、思わず歓喜の声を上げる。 「あー、地上の楽園とはまさに此処のことだな」 クーラーの下を陣取り、両手を広げて冷気を浴びる。いやー、たまりませんなー。失楽園を通り越して地獄と化してるし我が家とは大違いである。 けど、少し贅沢を言わせてもらうと室内の温度は僕の火照った身体には少しぬるかった。でも、そこは我慢しよう。この温度にも時期慣れてくるだろうし、我が家の惨状を思えば文句は言えまい。 と、僕が文明の利器の偉大さに感動していると、背後からのんびりとした声。 「それにしても、○○ちゃんも大変だったね。家のクーラーが壊れちゃうなんて」 振り向くと、麦茶の入ったグラスを持ったAが相変わらずのニコニコ顔で立っていた。今日は薄いピンク色のワンピースを着ていて、長い髪をアップにまとめていた。 「そうそう、そうなんだよ。しかも母さんはクーラーを新調しないなんて馬鹿げたこと言うしさ。僕、もう少しでミミズみたいになるとこだったんだからな!」 「ミミズ?」 ミミズという脈絡のない単語にAは首を傾げていたが、すぐに気を取り直し、冷えたグラスを僕に差し出す。 「ありがたい」 それを受け取って、中を満たしている液体を一気に煽った。冷水が食道から胃に流れていく感覚に、くーっと声が漏れる。夏はやはり麦茶に限るよね。 「それにしてもAはいいよなー。自分の部屋にクーラーがあるなんて」 と、一息ついてクーラーを見上げた。込み上げるのは、幼馴染みに対する純粋な羨望であった。 「だけどさぁ、ちょっと恵まれすぎじゃないか。Aみたいな現代っ子が多いから、僕達子供は大人にゆとり世代だと揶揄されるんだよ。そこんとこ、ちゃんとわかってる?」 僕の訳のわからない批判に対し、Aはゴメンナサイと真面目に謝罪していた。 しかし溜飲の下がらない僕は空になったグラスを突き出しつつ、 「あーあ。もういっそ夏休みの間はこの部屋で暮らそうかな。僕の家と違ってクーラーもあるわけだし」 「そうしなよ」 唐突な無茶苦茶にも、Aは穏やかな笑みを浮かべて即座に了承した。 まあ、今のは彼女なりの冗談なのであろうが、あまり魅力的な冗談は言わないで貰いたかった。ほら、僕も本気にしちゃうからさ。冷房の効いた楽園は、僕を留ませるのに十分すぎる魅力があった。 「ま、前向きに検討しておこう」 それでもなんとか自制心を働かせ、己の出した提案を引っ込める。完全にお釈迦に出来ないあたりが、非常に僕らしかった。 そっかー、とAはなんともいえない様子で相槌を打っていた。が、彼女は直ぐにいつものニコニコ顔に戻って、 「ところで、○○ちゃん。夏休みの宿題はちゃんとやってる?」 「なつやすみの、しゅくだい……?」 「そんな初めて聞く言葉みたいな反応をされても……」 夏休みの宿題、ねぇ……。もちろん、そんなのやっていない。 だけどさ、それも仕方のないことだろうさ。そろそろ終わりを告げるとはいえ、暦は未だ七月なのだ。七月に宿題をやるなんて酔狂な真似、誰が出来よう。いや、誰も出来まい。反語。 「私はやってるけどなぁ……」 Aはぽつりと漏らす。 夏休みの宿題進行スキームというものには、性格がよくあらわれる。Aは一日にやる分量を決めてさっさと終わらせてしまうタイプであり、僕は追い込まれるまでは徹底的に行動に移さないタイプであった。 前者のほうがマイノリティなのは言うまでもあるまい。そして僕は『赤信号、皆で渡れば怖くない』の精神にのっとり、夏休みに入ってから宿題を視界にすら入れていなかった。うーむ、我ながら模範的小学生である。 長い付き合いのAには、そんなの想定済みだったのだろう。彼女は当然のように僕に提案した。 「なら、夏休みの宿題、一緒にやらない? 早めに終わらせたほうが、夏休みも禍根なく、これまで以上に楽しく過ごせると思うな」 「えー」 だが、僕は明らかな不満を見せる。 休息日の労働をキリスト教が禁じているのと同じく、七月に宿題をやるなんて愚行は、もはや神への冒涜に近いと思う。そんな不届きな行い、清廉潔白な僕に出来ようか。いや、出来まい。再び反語。 153 名前:命題『彼女にNOと言わせる方法』[sage] 投稿日:2013/09/02(月) 18 43 31.65 ID Zj3ld4gi [6/13] と、そのような屁理屈をこねてみたのだが、 「うーん……」 Aは困ったように笑ってるだけだった。諌める言葉の一つや二つあってもいいだろうに。 彼女はいつだって僕に甘いのだ。たしなめる程度のことはするが、説教したり非難したりすることは決してない。 今だって、それこそさっきの母さんのように「つべこべ言わずに早く宿題をやりなさい」と一喝すればいいのに、Aはあくまで勧めるだけ。 彼女は、僕を不快にさせることを徹底的にしなかった。それは僕にとって、とても都合のよいことであり、それと同じくらい悲しいことでもあった。 彼女が折れるのは時間の問題だろう。後一言、不平不満を投げかけてやれば、先の発言は直ぐに撤回するに違いない。 でも、それでいいのかしらん。 僕は考える。 ここで突っぱねるのは簡単だった。しかし、それだと僕は去年と同じように宿題をやらない気がした。楽なほうに流れるのは容易だ。けれど、たまには自分に鞭打つ必要もあるのではなかろうか。 「わかったよ。それじゃあ宿題とってくる」 そして僕は結局、宿題を決行することにした。 珍しく僕が殊勝な態度を見せたからだろう、Aは嬉しそうに両手を重ねマアと驚いていた。 「○○ちゃんは偉いね」 と、Aが僕の頭を撫でるために手を伸ばしてきたので、あわてて身を引いた。同年代の、しかも女子に子ども扱いされるなんて、プライド高い僕としては誠に遺憾なことである。 「頭とか撫でようとすんなって。それじゃあ宿題とってくるから」 そう言って、僕は憮然とAの部屋を出たのだった。 灼熱と化した自宅から宿題一式を持ち出し、再びAの部屋へと舞い戻る。 「宿題、全部持ってきちゃったの?」 「うん。どうせ家じゃやらないしな」 僕の腕には、大量のドリルとプリント類、つまり夏休みの宿題の全てがあった。 それらを机の上に置いて、ふぅと一息つく。中々の重量であったので、結構な量の汗をかいていた。すると、Aが用意していたタオルで僕の額を拭った。こういう心遣いは、素直にありがたいと思えた。 僕はクッションの上に腰を下ろすと、にやりと悪どい笑みを浮かべた。 さてさて。 話は変わるが、僕は小悪党である。担任の先生も頭を抱えるほどの悪ガキで、悪友と共によくイタズラをしては叱られていた。 なので、誰かに「キミは真っ当に夏休みの宿題をやる生徒なのか?」と問われれば、僕はニッコリと笑って首を横に振るだろう。 だから、僕はAにこんなお願いをした。 「それではA。終わってる分の宿題、全部写させてくれない?」 ケッケッケ。生憎、正々堂々と宿題に臨む性分は持ち合わせちゃいない。最初から頭にあったのはAの宿題を写すことのみ! 「頼むよ。この通ーり」 と、僕は拝むようにしてお願いしたのだが、 「それは、あまりよくないと思うな」 いつもならノンストップで了承するAが、珍しく煮え切らない態度をとった。根が真面目な奴なので、宿題を写すという反則行為には大きな抵抗があるのだろう。 「○○ちゃん」 諭すような口調で、Aは続ける。 「宿題をうつすだけじゃ、○○ちゃんのためにならないよ。確かにこの量の宿題をこなすのはとても大変なことだけど、その分、自力で成し遂げた時の達成感は何にも換え難いものだよ。だから、私は○○ちゃんのためにもきちんと宿題をやったほうが――」 「ああ、そういうのはいいから」 が、僕はさっさと袖にする。そのての美辞麗句は、僕みたいな悪ガキにとっちゃ逆効果にしかならない。 「うー……」 それでもAは辛抱強く諭そうとする。 「じゃあ、ほら、わからないところは私がちゃんと教えてあげるから」 「だから、いいって。マジでいいって。宿題見せろって」 「えーと。それなら、一緒に宿題を進めていこう? 二人三脚みたいな感じで。二人で一緒に解いてけば、さして疲れないよ」 「ああはいはいそっすねー。けど僕はいいや。遠慮しとくよ。ほら早く宿題プリーズ」 「うー……」 Aは己の良心と激しい戦いを繰り広げているようで、頭を抱えてうーうーと唸っている。 が、勝負は決まってるようなもんだ、と僕は楽観視。 一見すると悩んでいるように見えるが、僕から言わせりゃ結果なんて火を見るより明らかだった。なぜなら彼女は、絶対に僕に対してNOを言わないからだ。 「……わかったよ。宿題、見せてあげる。でも、今回だけだからね」 案の定、Aの出した答えはYESだった。 「ありがたき幸せ」 と、僕はわざとらしいほど恭しく宿題を受け取ったのだった。 154 名前:命題『彼女にNOと言わせる方法』[sage] 投稿日:2013/09/02(月) 18 45 16.67 ID Zj3ld4gi [7/13] それからは、二人で黙々と宿題をこなした。といっても、僕のほうは単に写しているだけだったけど。 しばらくぶりに握る鉛筆の感触に違和感を抱きながら、ひたすら宿題を書き写していく。 一見すると楽なこの作業。しかし、ことのほか骨が折れた。 なぜなら、僕にはAの宿題を一字一句写してはならないというハンデがあるからだ。 Aの高い学力を考慮すれば、今やってる数学のドリルはほとんど正解だろう。それを、残念学力の僕が全て書き写したらどうなるか。間違いなく、先生には反則行為を疑われる。そのため、僕は適度に答えを間違える必要に迫られた。 なんつーか、それが疲れる。自分だったらこの問題は間違えるだろうなー、とか設問ごとにいちいち考えるのがとても億劫だった。 たとえば、今やってる算数のドリルだったら、答えだけでなく途中式も誤ねばならない。そして、その途中式を考えるのは自分自身なのであり、必然と脳のリソースを割く必要がある。 ですからね、その…… 「ぜんぜん意味ねーじゃん!」 僕は鉛筆を投げ出した。 いくら答えがあるといっても、結局は自分で考えているのだから意味がない。これならいっそ自分でやったほうが楽かもしれぬ。 「休憩、休憩! 休憩しようぜ!」 ついに脳はオーバーヒート。僕は駄々っ子みたいに喚きながら、床に寝っ転がった。 「うん、そうしようか」 Aも同調して、規則よく動かしていたシャーペンを手放す。時計を見ると、実際、休憩するには程よい時間だった。 それからは、まったりとした時が流れた。 僕はクーラーの駆動音を聞きながらぼんやりと天井を眺めていて、向かいに座るAはどうやら僕の顔を見ているようだった。互いに見飽きた顔だろうに。今さら注視して何があるというのか。 シャワシャワと、窓の向こうで蝉が騒ぎ立てている。それを聞いて、そういえば今年はまだ虫取りをしていなかったなと思い出す。明日辺り、友人を誘って近くの小山にでも行こうかしらん。 「Aは夏休みどっか行った?」 「うん。クラスの友達と海に行ったり、山でキャンプしたかなあ」 「おいおい、僕より充実した夏休みおくってんなぁ……」 今日はたまたま家に居たAだが、彼女は僕と違って交友関係もたいへん広いので、夏休みも何かと忙しいのだろう。しかも話を聞く限り遊びのバラエティも富んでいるようで実に羨ましい。 (まあ、Aは僕と違って人望あるし、それに美人だしな) 僕は身体を起こして、Aの顔を見つめた。必然と見つめ合う形になり、Aは不思議そうに小首をかしげている。が、僕は構わず彼女の顔をじろじろと見回した。 清楚さを堂々と示す長い黒髪。照りつける太陽をものともしない、白雪のような肌。そして温厚そうな柔らかい笑み。 たしかに、彼女は綺麗なのだろう。その事は、他でもない僕がよく知っていた。数多くの男子がAの色香にのまれ、そして打ち砕かれていくのを、彼女の横で飽きるほど見てきたのだから。 ――お前って、Aさんとどういう関係なんだよ。 耳にタコどころかイカでも出来るんじゃないかというくらいに訊ねられてきた質問。 ただの幼馴染みだよ、という定型文と化した返答をするのが常だった。その度に彼等は胡乱な目で睨みつけてきたが、こちらとしてはこうとしか答えようがない。Aと僕の関係を一番適切に示す表現は幼馴染みしかないのだ。 (コイツのどこがいいのだろう……) 僕はAを見ながら、ほとほと思った。 たしかに、Aはイイヤツである。そこに関しちゃあ僕だって全面的に同意する。しかし異性としてはどうかと問われたら、首を傾げてしまう。 先述したように、Aは美人だ。けど、僕にはその魅力がどうにも理解できなかった。たしかに顔は整っている。けど、だからどうしたって感じ。美人は三日で飽きる、というのにもまた違った気がした。 とどのつまり、アレだ。僕はAを自分の家族として捉えているのだ。僕にとってのAは面倒みのいい姉というか、いや、むしろ母親に近しいのかも。 姉でも妹でもなく、母。他人と考えるのが、最も難しい立ち位置にいる存在。それが、僕にとってのAなのだろう。 ――ねぇ、Aは僕のことをどう思っているの? 喉元まで迫り上がった質問を、慌てて飲み込んだ。 危ない危ない。危うく、ヘンテコな問いをしてしまうところだった。彼女が僕のことをどう思っているかなんて聞くまでもないじゃないか。Aだってきっと、僕と同じに決まっている。 155 名前:命題『彼女にNOと言わせる方法』[sage] 投稿日:2013/09/02(月) 18 46 39.89 ID Zj3ld4gi [8/13] なので結局、持て余した質問は、 「宿題、多くないか?」 という、上澄みめいた世間話に変換することにした。 Aはキョトンと宿題の山を見つめて、 「そうかな。去年よりは少ないと思うけど」 「いやいやいやいや多いって」 おいおい、これを少ないとか正気の沙汰じゃねーよ。真偽眼が狂っているとしか思えない。 「漢字ドリルに算数ドリル、課題図書の読書感想文にエコを題材にした水彩画に加え、地域振興がテーマの作文まで書くってんだぜ! うちの学校の教師陣はおかしいよ! スパルタ教育という名の児童虐待だよ!」 「そんな、大袈裟だよ……」 「いいや。百歩、いや万歩譲って宿題がこれだけならまだいいよ。けど、そうじゃないだろう? これに加えて自由研究なるものまであるんだぜ。ああ、ヤダヤダ。本当に嫌になるね。そんなハードタスク、僕にゃあこなせる気が――」 と、今のやりとりの中、ひいては自分の発言に何やら引っかかる単語があった。僕はその単語を抽出し、ぼそりと口に出す。 「自由研究……」 そうだ。僕には自由研究があったじゃないか。学校の宿題とは関係がない、個人的な夏休みの宿題が、あったじゃないか。 僕はさっと立ち上がると、 「ねえ、A。ちょっとお願いがあるんだけど、いいかな?」 「いいよ」 相変わらずの即答。相変わらずのYES。なるほど、やはり彼女はNOを言わないわけか。 ようし。それなら、早速始めようじゃないか。宿題の休憩がてらには、ちょうどいいだろう。 ――それでは、これより実証を開始。 命題・Aに『NO』と言わせるのは可能であるか。 僕は少しのあいだ思案を練り込み、 「そんじゃあ、A。三回まわってワンって言ってみてくれる?」 まずは小手調べ。ボクシングでいうなら牽制のジャブといったところ。付き合いのいい友人ならふざけて承諾してくれるかもしれないという微妙なラインのお願い。 もっと別種のお願いをされると思っていたのだろう。唐突な、しかも意味のわからない僕のお願いに、Aは疑問符を浮かべている。 「三回まわって、ワン?」 「そうそう。やってくれるかな?」 「うん、いいよ」 けれど、Aの出した答えはYES。 彼女はすくりと立ち上がると、その場で三回まわって、 「ワン」 と言った。 僕は目を丸くして、お願いを遂行するAを見た。 ……おお。本当にやりやがった。こんな無意味で訳の分からない阿呆な行いを。なんの躊躇いもなく。なんのおふざけもなく、わりかし真剣な様子で。 しかしながら、さすがのAも恥ずかしかったようで、赤面しつつ照れ笑いした。 「これで、いいかな?」 「ああ……うん。まあ、オッケーかな」 しかしなぁ……先の行為の必要性を聞かずに即座にYESと言って、しかも早々にやってのけるとは。フヌン。これはどうして強敵かもしれんぞい。 「A、こっちに来てくれ」 「うん」 お行儀よく頷き返し、トテトテと僕の近くまで歩いてくると、そのまま腰を下ろす。 ところで、自由研究の根底を翻してしまう発言になってしまうが、実のところAにNOと言わす方法は既にあったりする。それは、人間の限界を突くお願いだった。 A、空を飛んでみてくれ。 一言そう言ってしまえば終わる。言うまでもなく、人間は空を飛べないからだ。さしもの彼女だって、これにはNOと言わざるを得ない。本人がどう思おうか関係なしに、だ。 しかし、それではつまらないだろう。試合に勝ったが勝負に負けたというやつだ。 156 名前:命題『彼女にNOと言わせる方法』[sage] 投稿日:2013/09/02(月) 18 48 04.31 ID Zj3ld4gi [9/13] 僕はだね、あくまで正々堂々に、面と向かってAにNOと言わせたいのだ。なので、今の内に宣言しておくが、この実証はスポーツマンシップの精神に則て行うことにする。 では。 先の失敗を乗り越え、僕は次の手を打つことにする。 「僕がいいって言うまで、絶対に笑うなよ」 「うん、わかった」 「はっはーん。なぁ、A。うん、って今たしかに言ったな? お前、了承したな?」 「え……たしかに言ったけど、それがどうかしたのかな?」 「いやいや、別にいいんだよ。どうせAはYESっていうと思ってたしね」 ひっひっっひ。Aは当然のようにYESといったが、果たしてその承諾はいつまで効力を持つかな? 僕はそろそろと両手を動かし、彼女の脇腹に位置づけると。 コショコショコショコショコショコショコショコショ。 全力でくすぐった。 再び話は変わるが、僕はくすぐりには一家言ある、いわばくすぐりのプロだった。 『ラフ・エンフォースメント』それが小学校での僕の通り名だ。縦横無尽に脇腹を駆け抜ける指捌き、その笑いの衝動から逃れられた者は過去に一人だっていない。まさに必勝ならぬ必笑の技。 これには微笑みポーカーフェイスのAも耐えられまい。すかさず了承した願いを撤回するはずだ。 フッ、と僕は勝利を確信し、不敵に笑って彼女を見たのだが、 ニコニコニコニコ。 Aの鉄仮面はこれっぽっちも剥がれていなかった。 「なん……だと……」 戦慄した。これを喰らってもなお、表情筋をピクリとも動かさないなんて……。え、ちょ、お前マジどうなってんの? 感覚中枢死んでるの? 「……なぁ、A。くすぐったくないか?」 「スゴクくすぐったいよ」 「なら、なんで笑わないんだ?」 「? 私、笑っていると思うけど」 うん、たしかに笑っちゃいるよ。でもさぁ……それは僕の求める笑いとはかなり違うんだよね。全然違う。僕が欲しいのは微笑ではなく爆笑なのに……。 「く、くすぐりはもう終わりだ……」 「うん。それで○○ちゃん。他に、何かして欲しいことはあるかな?」 Aはのんびりと訊いてきたが、こっちはそれどころでなかった。ハッキリいって、絶望に打ちひしがれていた。 伝家の宝刀であるくすぐりが効かなかったのだ。これ以上何をしろというのか。どうすれば彼女にNOを言わせられるというのか。 あーあ。もう駄目だ。徐々に自信がなくなってきた。実証を開始してからまだ十分も経ってないってのに……。 けれども、僕は自分でも気づかぬほど意固地になっていた。なにがなんでもAにNOを言わせたくなっていた。 ……仕方あるまい。 正直、あまり気は進まないが禁じ手を使うことにしよう。 「じゃあ、お願いしてもいいかな?」 「うん、いいよ」 「僕、今すごくイライラしているんだ。だから、Aのこと殴らせてくれよ」 今までにない、剣呑なお願いだった。ピシリと心に軋みが走る。そこそこの小悪党を自認している僕であっても、さすがに言ってて気分が悪くなった。 勿論、こんな願いは嘘である。ただAにNOを言わせるためだけの脅しだった。生憎と、女子を殴るのに喜びを見い出したりするような特殊な性癖は持ち合わせちゃいない。僕だって、そこまで堕ちちゃいない。 ――だけど。 絶対に、AはNOと言うだろう。僕は確信していた。 誰だって殴られるのは嫌に決まっている。しかも、暴力の理由が僕の満足心のためという非常に理不尽なものだ。 (NOどころか、激怒する可能性だってあるな……) 僕は内心ヒヤヒヤしつつも、自由研究の成功を確信していた。当たり前だが、こんな馬鹿げた願いにYESという輩はいまい。 157 名前:命題『彼女にNOと言わせる方法』[sage] 投稿日:2013/09/02(月) 18 49 08.78 ID Zj3ld4gi [10/13] ――なのに、だ。 なのに、対面に座るAは、いつもの柔らかい笑みを浮かべたまま、 「いいよ」 と、了承したのだった。 「は?」 時間が止まった。聞き間違いだと思った。けど、やっぱりAはニコニコ笑っていて、やっぱりYESと言ったのだ。 ゾクリと、僕の背筋に明確な怖気が走った。口をあんぐりと開け、呆けたように彼女を見つめる。 「な、なあ。僕、今殴るって言ったんだぞ」 「うん、言ったね」 「Aは、な、殴られるのとか嫌だろ?」 「うん、嫌かな。でも、○○ちゃんがそうしたいのなら、平気だよ。私は、構わない」 「……」 絶句。ただただ絶句。 なんというか、Aがすごく恐ろしくなった。なぜなら、彼女はずっと笑顔だったからだ。少しくらい顔をしかめたっていいだろうに、彼女は人形のように笑っている。笑い続けている。 (いやいや落ち着けって……僕は何を怖がっているんだ) 相手は、あのAだぞ? 今まで、それこそ生まれてからの付き合いである幼馴染みだぞ? ――僕が、Aに恐怖を抱くわけがない。 「ま、まあ嘘だけどね」 声が上擦っているのを無視して、続ける。 「Aだって、いまのを本気に受け取ったわけじゃないだろ? それを見通してYESって言ったんだろ? なあ、そうだろ? はははは」 茶化すようにして訊いてみたが、彼女はニコニコと笑うだけで、何も言わなかった。まるで、自分はどう転んでも構わないとでも言うかのように――。 「…………」 場の空気が、重くなっていた。というか、僕が勝手に重くしていた。自由研究が思わぬ方向に進み出し、うまく舵をとれずにいる。 (どうすればAはNOと言うのだろうか。阿呆な願いにもYES、暴力的な願いにもYES、これでは成す術がない……) もう、自由研究なんてやめてしまおうかしらん。こんなことしたって一文の得にもならないし、さっさと夏休みの宿題を再開させたほうがよいのかもしれん。 そんな、投げやりになりつつある思考の中で、不意に閃いた。神からの啓示であるかのような、まさに天啓。逆転の一手。 ――そうだよ、これならさしものAだって……。 「なあ、A」 「なに?」 「最後のお願い、いいか」 「最後? 別に最後じゃなくても、いくらでもお願いはきくよ?」 「いいや、これで最後だ」 僕は首を横に振る。今から言う願いはまさに乾坤一擲だ。逃げ道を塞ぐためにも、これ以上の願いは必要ない。全部、終わりにしてやるのだ! 僕は今日で一番真剣な表情をつくった。機敏なAはすぐに悟ったのだろう、いつものような笑みをうかべているものの、どこか引き締まった感じがした。 そんな張り詰めた空気の中、僕は―― 「下着を見せてくれないか」 ――と、言い放った。 「え」 Aは目を丸くして、 「え、えええええぇぇぇぇええぇ」 と、瞬時に顔を赤くした。そのまま尻餅をついて、ずりずりと後ろに後ずさる。 クリティカルヒット。僕は内心、ガッツポーズをしていた。思えば今日どころか、生涯で初めて見るかもしれない微笑以外の彼女の表情であった。 僕の下した最終作戦は、願いのベクトルを一気に変えることだった。徒労と暴力が駄目だときたら最後は恥辱。Aだってもう舌足らずな童女ではないのだ。うら若き女子にとって、これは耐え難いはず。 こちらの予想通り、Aは口元をわななかせ、ひたすら驚いていた。前例に無い願いだったからだろう。それだけに、効果は抜群だった。 しかし、この作戦には思わぬ副作用があったりする。こちらにもダメージが跳ね返ってくることだ。 僕は、Aとこの手のいやらしい話をしたことが一度もなかった。なので僕自身、結構抵抗があったりする。だが今は自由研究のため私心は捨てるべきだ。 158 名前:命題『彼女にNOと言わせる方法』[sage] 投稿日:2013/09/02(月) 18 50 43.27 ID Zj3ld4gi [11/13] 「うー……」 Aは顔を赤らめて、小さく呻いている。それでもお願いを聞こうという意志はあるのだろう。震える手でワンピースの裾を掴んでいた。 部屋の空気が変異していた。 色で喩えるなら、先ほどまでは暖色系、そして今は過激色。小学生にはあまり吸い慣れない、息の詰まりそうな空気であった。 もう、ここらで止めておこう。素直にそう思った。Aの反応を鑑みるに、どうせ彼女はYESと言うまい。自由研究は、無事終了したのだ。それに、なにより僕自身がキツかった。 だからAにお願いの取り消しを申し上げようとしたのだが、 「……○○ちゃんは、私のなんかを見たいの?」 蚊の鳴くような声で、Aが尋ねてきた。 「え?」 まさか彼女がNOと言わずに話を進めるとは思っていなかった。先のお願いが決定打だと思っていたので、僕は面食らってしまった。頭の中は絡まった糸のようにグチャグチャしていて、正常な判断が下せない。 いや、別に見たかねーよ。 一言。たった一言そういえばよかったのに。僕は頭がおかしくなっていたのだ。 だから、僕は脳の処理が追いつかぬ内に、とりあえず頷いてしまった。 「……」 そして、Aは幾らか逡巡した後、勿論彼女自身にそんな気はないのだろうが、焦らすようにじわじわと、ワンピースをたくし上げていく。 「これで、いい……?」 何度も述べた通り、僕は小悪党なのである。なので、スカートめくりなぞは朝飯前と豪語できる。 だが、Aに対してはスカートめくりを一度だってしたことがなかった。それは、幼馴染みからくる特有の親愛というか、僕はAをそういう対象に見れないからだ。なので、彼女の下着を見るのはこれが初めてになる。 白をベースにしたシンプルなデザイン。しかし細かいところに意匠を凝らしているようで、よく見ると精巧な模様が縫われているのが見て取れた。同年代の女子よりは、少し大人びた下着だ。 「…………!」 瞬間、僕の内奥から途方もない嫌悪感が湧き上がる。親族に対して異性を感じたことによる嫌悪感なのだろうか。とにかく、なんというか、ものすっごく――気持ち悪い。 「もういいから」 自分でも驚くくらいに、酷薄な声が出た。Aから目を逸らし、舌打ちをひとつ交える。 この瞬間、僕とAはどうしようもないほど違ってしまった気がした。今までの、気の置けない幼馴染みという枠組みから外れてしまった気がしたのだ。 我ながら身勝手ではあるが、こんなお願いしなきゃよかったと、今さら後悔の念に襲われた。 「あの、○○ちゃん……?」 指先を弄りながら、モジモジとした様子でAが訊いてくる。そのいじらしい態度すら、今は煩わしい。 「○○ちゃんは、なんで私の下着なんて見たいと思ったの?」 「んだよ。どうして、そんなこと訊くんだよ」 「えっと、その……だって、○○ちゃん、今までそういう類のこと、言わなかったから」 「いいから。別に見たくなかったから。さっきのだって、ただの冗談だから。なんだかAは真に受けちゃったみたいだけど」 これ以上、彼女と会話をしたくなかった。今は一刻でも早く、この場から去りたかった。 159 名前:命題『彼女にNOと言わせる方法』[sage] 投稿日:2013/09/02(月) 18 51 47.80 ID Zj3ld4gi [12/13] 「僕、もう行くから」 そう言って立ち上がり、ドアに向かって歩き出す。しかしAは「待って」と慌てた様子で僕を引き止めた。 「しゅ、宿題は?」 「次回に持ち越しだ」 「家、クーラー壊れてて暑いんじゃないの? 日が落ちて涼しくなるまで、私の部屋にいたほうがいいよ」 「別に家に帰るわけじゃない。これから繁華街のほうをブラブラするつもりだから」 「そ、それなら、私も一緒に……」 「一人で行きたいんだよ。察しろよ」 「…………」 重い空気。深海にでも放り込められたような……。うわ、なんだ此処。気圧がおかしいって。すごい息苦しい。あー。早くこっから出たい。 「……っ……」 Aがボソボソと何か言っていたが、うまく聞き取れない。だから訊いた。 「なんだよ」 「ごめんなさい」 突然、Aは謝った。身体を九十度に曲げて、礼儀正しく。 「どうして謝る」 「だって、私、○○ちゃんを怒らせちゃったみたいだから」 身を起こしたAは、見ていて可哀相になるほど落ち込んでいた。瞳に涙を溜めて、震える唇を引き結んでいる。 いつもの僕なら、きっと冗談でもいって彼女を笑かしていただろう。その沈んだ雰囲気を文字通り雲散霧消させていただろう。そして、いつもの幼馴染みの関係に戻っていたはずだ。 ――だけど、今の僕は、そんなAを気持ち悪いとしか感じなかった。 「じゃあ、僕、本当に行くから。また――」 ――また今度、とは結局いえずに、僕は黙って彼女の部屋を出たのだった。自己嫌悪と、Aへの嫌悪感を抱えながら。
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参考サイト 本当の対立点とは何か?(「保守主義」の定義) (戦争に負けた国blog様) このサイトに見るように「小さな政府」こそ保守主義だとする主張がある。 保守主義がすべからく「大きな政府」に反対する、という意味では確かにそうだが、保守主義は「経済保守(新保守=リベラル右派)」だけではない。 伝統文化・社会的価値の維持発展に主な関心を注ぐ「伝統保守(旧保守)」は、経済政策においては一般に「小さな政府」よりも中負担・中福祉(=中規模の政府)を志向する。 従って、この命題は、半分だけ正しい。 用語 説明 関連ページ 小さな政府(limited government)※注:項目なしのため、安価な政府の項目で代用※補注参照 「小さな政府」ともいう。18世紀末頃より用いられた自由主義の財政的標語で、財政規模のあまり大きくない政府をいう。ナポレオン戦争後のイギリスでは、軍事費の削減はもとより、航海法・独占特許制度の撤廃などの自由主義施策の推進と並んで一般経費の縮減が進められた。このため1870年頃まで国家財政の規模は年々減少、または漸増するにとどまり、史上ほとんど唯一の「安価な政府」が出現した。その思想的背景にあるものは、国の役割を国防・警察などに限るA.スミスの夜警国家観である。しかし、前世紀(注:19世紀)末以降イギリスを含めて経費膨張が避けがたい傾向となったことは、帝国主義の風潮に追うところが大きい。第二次世界大戦後は、福祉の充実など各経済分野での公共部門の拡大が「高価な政府」へと拍車をかけているが、1980年代アメリカのレーガン政権、イギリスのサッチャー政権下では「小さな政府」への動きがみられた。その趣旨は、経済・社会政策の領域での政府の役割を削減し、市場機構と競争に多くを委ねることによって財政赤字・政府規制を改め、公営企業の民営化を促し、自立・自助の精神により資本主義経済の再活性化をはかることにあった。(⇒経費膨張の法則) ケインズvs.ハイエクから考える経済政策 ※補注: 実際には「安価な政府(cheap government)」という政治・経済用語は英語圏には存在しない。 (cheap government は「安っぽい・みすぼらしい政府」の意味になってしまい、用語として不適切)⇒英語に疎い日本人学者の間で使用される誤った用語と思われるが、ここでは日本語版ブリタニカ百科事典の記載内容をそのまま転記する。